住宅用の塗料は、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の主に4種類で、近年主流になっているのが「シリコン塗料」です。
本記事では、外壁塗装にシリコン塗料を使用しようか検討している方に向けて、
- シリコン塗料のメリットとデメリット
- シリコン塗料の基礎知識
- 費用、コストパフォーマンス
- おすすめ製品
について解説します。
シリコン塗料を使用する際の注意点についても紹介していますので、基礎知識から業者へ依頼する際に役立つ情報まで、シリコン塗料に関する知識を深めることができるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
- シリコン塗料は、非常に費用と耐久年数のバランスが良い
- シリコン塗料にも、長持ちするもの・しないものがある。塗料名で調べるのが重要
- 屋根用は「遮熱塗料」、外壁用は「ラジカル制御型塗料」がオススメ
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料は、他の樹脂塗料と比べて以下のような強みがあります。
まずは、シリコン塗料の強みを確認してみましょう。
耐久性が高い
シリコン塗料は非常に耐久性の高い塗料です。
具体的には以下、3つの耐久性があります。
- 耐熱性:600℃前後でも耐えられる
- 耐水性:塗膜が固く、撥水性がある
- 対候性:酸性雨や強風、紫外線に強い
塗料の種類次第では、600℃前後の環境下でも耐えられる塗料も存在し、水を通しにくく、湿気や雨による建材の劣化を抑える効果が期待できます。
緻密に結合した分子構造の働きで、外壁の劣化を最小限に抑え、高い耐候性を発揮します。
光沢・ツヤがあり、汚れがつきにくい
シリコン塗料の多くは光沢・ツヤのある仕上がりになります。
シリコン塗料にはセラミックという成分が配合されています。
さらに、泥や雨水を弾く保護材を塗布することも可能。
セラミックが含まれる塗料で塗装した外壁や屋根は、汚れにくいため長期間美観を保つことができます。
シリコン塗料は、耐久性の高い塗料なので、再塗装のスパンを長くとることが可能。
結果として、メンテナンスコストを削減することができます。
商品ラインナップが豊富
記事の後半でも紹介しますが、シリコン塗料は人気な塗料のため、メーカーが塗料の開発に日々取り組んでいます。
商品のラインナップが豊富であればありほど、希望条件に合致した商品を見つけられる確率は高くなります。
豊富なカラーバリエーションや価格レンジ、好みの性能などから自身にあった商品を様々な選択肢の中から選ぶことができるのも、シリコン塗料のメリットです。
シリコン塗料のデメリット
逆にシリコン塗料には、どんな弱みがあるのでしょうか。
他の樹脂塗料と比べて以下のようなデメリットがあります。
アクリル塗料・ウレタン塗料よりも価格が高い
塗料代の違いにより、これら2種類の塗料よりも工事費用は高くなります。
10年以内で退去や解体が決まっている家には、塗料の寿命が余ってしまうでしょう。
フッ素塗料よりも耐久性が低い
反対に、シリコン塗料の寿命は、フッ素塗料ほどは長くありません。
リフォームする家の住人にとって、工事のコストは「お金」だけでなく「手間」もあります。
同じ年月で見て、「金額が多少高くなっても、工事回数を少なく抑えたい」という場合は、シリコン塗料は最適な選択肢ではありません。
ひび割れしやすい
シリコン塗料は、ほかの塗料に比べて乾燥後の塗膜が硬いため、そのぶんひび割れが起きやすい塗料と言えます。
温度や水分で伸縮する素材への塗装や、振動が多い立地での使用には向いていません。
シリコン塗料をオススメできる人、できない人
シリコン塗料は、価格や性能、耐用年数などのバランスもよく、ほとんどの場合に非常にコストパフォーマンスの良い塗料となります。
そのため、初めて塗装リフォームをするという方でも、シリコン塗料を選べば大きな失敗はないでしょう。
シリコン塗料がオススメな人
- 塗料のコストパフォーマンスを重視する人
- 塗装予定の家に、あと10年以上は住み続ける人
- 光沢感のある外観に仕上げたい人
シリコン塗料は、費用対効果を重視する人のほか、独自の特徴である光沢の強さを活かしたい人にも向いています。
豊富な商品バリエーションから、好みの製品を選びたいという人には特におすすめです。
反対に…シリコン塗料をオススメできない人
- 大きい住宅の場合
- 塗り替えの総回数を少なく抑えたい場合
- 6~7年以内に家を退去・売却する場合
1,2点目の場合、ひとつ上のグレードの「フッ素塗料」をオススメします。塗料代は高くなりますが、耐用年数が長く、長期間でみた場合には希望が叶います。
3点目は、シリコン塗料よりも低グレードで耐用年数が短い「ウレタン塗料」を使ったほうが、費用の無駄がありません。
また、DIYを検討している方にも注意が必要です。
シリコン塗料は、塗装箇所への付着力が弱く、素人が万全に塗装するのは難しい塗料です。
DIYでの補修作業には向きませんので、使用する場合は対策を施して塗装を行いましょう。
シリコン塗料以外の外壁塗料
シリコン塗料以外の外壁塗料についてご紹介します。シリコン塗料の使用を迷っている方は、他の塗料も合わせて検討してみるとよいでしょう。
【外壁塗装に用いる主な塗料4種類】
塗料の種類 | 耐用年数 | 実勢価格 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5~7年 | 1,500円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 1,950円/㎡ |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2,300円/㎡ |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 4,300円/㎡ |
まずはじめに、塗料ごとの特徴・耐用年数と実勢価格を簡単に抑えておきましょう。
アクリル塗料
アクリル塗料は、アクリル樹脂から生成される塗料です。住宅用の塗料の中では、もっとも耐用年数が短い種類となっています。
そのため、塗替え工事では使用されることがほとんどありません。しかし、価格が安いことから新築工事の際に費用を抑えるために使用されることがあります。
▼「アクリル塗料」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
ウレタン塗料
ウレタン塗料はアクリル塗料と比べて耐用年数は長いですが、全体の中では二番目に耐用年数が短い塗料です。近頃は、外壁塗装で使用されるシーンは少なくなりました。
ウレタン塗料は、工事にかかる費用を抑えたい場合、またおおよそ10年以内に退去することが決まっている場合に、よく使用される外壁塗料です。
▼「ウレタン塗料」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
フッ素塗料
フッ素塗料は、少し価格が上がってしまいますが、耐用年数が長く、塗替え回数を抑えることができる特徴があります。
フッ素と同等以上、グレードの高い塗料は、通常の一戸建てよりも一回のあたりの工事費用が高額になる大きな邸宅や、塗装工事による休業、通行規制を抑えたい商業施設などで使用される傾向が高くなっています。
▼「フッ素塗料」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
使う塗料に迷ったら、専門家への無料相談しよう!
ここまででシリコン塗料の特徴ついて、大まかにお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、実際に自宅に用いる塗料を決めるとなると、自分の判断だけでは不安が残りますよね。
塗装は専門性の高い工事なので、専門知識を持ったプロの意見を聞いてから最終決定をしたいところです。
「でも、専門家を自分で見つけてくるのは面倒くさい……」
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シリコン塗料の基礎知識
実際にはシリコンとアクリルの両方が主成分でるため、正確な名称は「アクシルシリコン塗料」といいます。
シリコン塗料は、価格に応じた耐久年数の長さのほかに、以下のような性能をもっています。
- 600℃前後でも耐えられる(耐熱性)
- 塗膜が固く、撥水性がある(耐水性)
- 酸性雨や強風に強い(耐候性)
このような代表的な性能に加えて、汚れが落ちやすく、艶が映えるということもシリコン塗料の特徴です。
以下で、耐用年数とシリコン塗料の評判について解説します。
シリコン塗料の耐用年数は?
シリコン塗料の耐用年数は、外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年と、4種類ある住宅用塗料の中では2番目に長い年数です。
住宅用の塗料には、安価なものから順に「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の4つのグレードがあります。
シリコン塗料は、価格・耐用年数ともに4種類中2番目に位置しています。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 外壁:5~7年 屋根:4~5年 |
ウレタン塗料 | 外壁:7~10年 屋根:6~8年 |
シリコン塗料 | 外壁:10~15年 屋根:8~12年 |
フッ素塗料 | 外壁:15年~20年 屋根:12~15年 |
シリコン塗料はなぜ人気?
シリコン塗料は塗膜の寿命(耐用年数)と塗料の価格のバランスに優れているため、近年人気が上がってきています。
使用する塗料のグレードに迷ったら「とりあえずシリコン塗料」に決めても、失敗することは少ないでしょう。
シリコン塗料を利用した「騙しの手口」
一部の、「期待耐用年数」が標準より短いシリコン塗料を利用して、相場よりも高額な塗料代を施主に支払わせる悪徳業者の手口があります。
詳しくは「シリコン塗料を契約する前の注意」をご覧ください。
シリコン塗料の費用・コストパフォーマンス
塗料選びの判断をもっとも左右する、価格と耐用年数のバランスを見ていきましょう。
シリコン塗料の価格・単価相場は?
シリコン塗料の価格は、1㎡あたり2,200円~3,000円と、塗料のグレード4種類中で2番目に高い金額です。
塗料の種類 | 価格(単価)相場 | 家一軒あたりの塗料代 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,400円~1,600円/㎡ | 24万~27万円 |
ウレタン塗料 | 1,700円~2,200円/㎡ | 29万~37万円 |
シリコン塗料 | 2,200円~3,000円/㎡ | 39万~51万円 |
フッ素塗料 | 3,800円~4,800円/㎡ | 65万~82万円 |
※170㎡の外壁を塗装した場合。工事費用は、塗料代のほかに足場代・下地処理代・業者諸経費などが別途かかります。
▼「シリコン塗料の価格」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
シリコン塗料はお得?費用対効果(コストパフォーマンス)を計算
シリコン塗料の耐用年数は、外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年が目安です。
平米単価を耐用年数で割ると、1㎡あたり「146~300円(平均:約220円)」です。以下4種類の塗料樹脂の比較においては、最も高いコストパフォーマンスを誇ることが分かります。
塗料の種類 | 単価÷耐用年数 | 順位 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 280円/㎡ | 4位 |
ウレタン塗料 | 242円/㎡ | 2位 |
シリコン塗料 | 220円/㎡ | 1位 |
フッ素塗料 | 253円/㎡ | 3位 |
このように塗料を選ぶ際は、価格だけで比べるのではなく、耐用年数も加味しながら一番お得になるものを選ぶ必要があります。
一般的には、最安価なものを選ぶよりも寿命が長めの塗料を使って、合計の塗装リフォーム回数を減らすほうが経済的になるでしょう。
ただし、退去や解体の予定がある場合は、今の家にあと何年住むか?という予定も考慮しながら、もっとも耐用年数が近い塗料を選ぶのが合理的です。
シリコン塗料のおすすめ人気製品6選
安心して使える、オススメのシリコン塗料をご紹介します。
シリコン樹脂塗料のなかでも、価格と耐用年数、付加性能のバランスから、屋根用には遮熱塗料の「サーモアイSi」、外壁用にはラジカル制御型塗料「プレミアムシリコン」を検討候補に入れることをオススメ[/text]します。
下に挙げる各塗料の価格はメーカー公表の設計価格であり、実際に施工店に依頼した際には2,000円~2,500円が相場です。
屋根塗装におすすめのシリコン塗料
【最もおすすめ】日本ペイント「サーモアイSi」
名称 | サーモアイSi | |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
分類 | 2液油性シリコン樹脂塗料 | |
適用下地 | スレート・波形スレート屋根、金属屋根・トタン、住宅用化粧スレート屋根 | |
光沢の種類 | ツヤあり のみ | |
設計価格 | 約3,930円/㎡~ | |
耐用年数 | 8~12年 |
太陽熱を反射する力が強い「遮熱塗料」の一種。建物のなかでも最も熱劣化の激しい屋根を長持ちさせ、夏場の冷房効率をアップする効果があることから、屋根用の塗料ならば必ず検討候補に入れたいオススメの塗料です。価格も一般的なシリコン塗料の相場内に収まります。
「サーモアイ」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。
【においが出ない】関西ペイント「アレスアクアセラシリコン」
名称 | アレスアクアセラシリコン | |
---|---|---|
メーカー | 関西ペイント | |
分類 | 1液反応硬化形シリコン系塗料 | |
適用下地 | トタン屋根 ほか | |
光沢の種類 | 4種 ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ |
|
設計価格 | 約3,900円/㎡~ |
【積雪地域向き】日本ペイント「シリコンルーフII」
名称 | シリコンルーフII | |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
分類 | 1液反応硬化形シリコン系塗料 | |
適用下地 | 鋼板屋根・トタン屋根・住宅用化粧スレート屋根 | |
光沢の種類 | つや有り のみ | |
設計価格 | 約2,570円/㎡~ |
光沢感・高耐久が特徴の屋根用1液シリコン樹脂系塗料です。積雪・滑雪などの厳しい自然環境に耐える、高い耐久性を持ち、速乾タイプなので、冬場の塗装においても高い作業性を実現します。
そのため、積雪量の多い地域に向く塗料です。
外壁塗装におすすめのシリコン塗料
【最もおすすめ】エスケー化研「プレミアムシリコン」
名称 | プレミアムシリコン | |
---|---|---|
メーカー | エスケー化研 | |
分類 | 1液水性シリコン樹脂塗料 | |
適用下地 | サイディング・モルタル・コンクリート・ALC・スレート板など | |
光沢の種類 | 4種 「ツヤあり」「5分ツヤ」「3分ツヤ」「ツヤ消し」 |
|
設計価格 | 約2,600円/㎡~ | |
耐用年数 | 13~16年 |
汎用シリコン塗料と同等価格ながら、上のグレードであるフッ素塗料に近い耐用年数があることで人気の「ラジカル制御型塗料」のひとつです。
ラジカル塗料のなかでも「プレミアムシリコン」はコストパフォーマンスがよく、外壁用として忘れずに検討したい、オススメの製品です。
「プレミアムシリコン」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。
【においを気にする人に】日本ペイント「オーデフレッシュSi100 III」
名称 | オーデフレッシュSi100 III | |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
分類 | 1液反応硬化形シリコン系塗料 | |
適用下地 | 外壁各種旧塗膜の上(モルタル面、コンクリート面、窯業系サイディングボード、ALCパネル面) | |
光沢の種類 | 5種 つや有り、7分つや有り、5分つや有り、3分つや有り、つや消し |
|
設計価格 | 約3,060円/㎡~ |
下塗りから上塗りまで全てに水性塗料で施工可能なのが特徴。臭いが少なく安全で環境に優しい塗料で、臭いの苦手な方、臭いに敏感な家族やペットがいる方にオススメです。
【塗装可能な素材が多い】エスケー化研「クールマイルドシリコン」
名称 | クールマイルドシリコン | |
---|---|---|
メーカー | エスケー化研 | |
分類 | 2液油性シリコン樹脂塗料 | |
適用下地 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、 スレート板、GRC板、押出成形セメント板、 各種サイディングボード、鉄部、亜鉛メッキ鋼、 アルミニウム、ステンレスなどの金属、 各種旧塗膜(活膜)など |
|
光沢の種類 | 3種 「ツヤあり」「5分ツヤ」「3分ツヤ」 |
|
設計価格 | 約2,200円/㎡~ | |
耐用年数 | 12~15年 |
塗装可能な素材(適用下地)の種類が非常に多い塗料です。住宅の建材やもともと塗ってあった塗料の種類を問わず、強い耐久性のある仕上がりが期待できます。
また、セラミックの配合により、従来のシリコン塗料よりも汚れにくく、万一汚れても落ちやすい性質をもちます。
▼「シリコン塗料のおすすめ製品」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
外壁塗装の相場を知ってから塗装を依頼しよう
シリコン塗料を使った外壁塗装を注文する前に、「自宅の場合、塗装の相場はいくらになるのか」を把握しておきましょう。
外壁塗装は詐欺を働く業者が非常に多く、ぼったくりや手抜き工事が横行しています。
「100万円でできたはずなのに、200万円も支払ってしまった・・・」という被害が少なからずあります。
事前に塗料に関する知識をつけておかないと、お金を騙し取られてしまうかもしれません。
以下の記事では外壁塗装の費用相場と費用の決まり方を解説しています。
外壁塗装にかかる費用を知っておき、悪徳業者に騙されないように気を付けましょう。
シリコン塗料を契約する前の注意
耐用年数が短いシリコン塗料もある!
シリコン樹脂系塗料の耐用年数は、外壁で10~15年、屋根で8~12年が標準です。
しかし一部のシリコン塗料には、耐用年数がもっと短いかわりに、価格を安く抑えて販売されているものがあります。
これを利用し、15年もつシリコン塗料並みの価格で、安いシリコン塗料をこっそり使おうとする悪い業者が、残念ながら存在します。
業者の説明や見積もり書で、「シリコン塗料を使用」となっているだけで安心せず、塗料名から「期待耐用年数」を個別確認することが重要です。
>> 外壁塗装の耐用年数って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!
「期待耐用年数」とは?
塗料における期待耐用年数とは、メーカーが塗料に定めている公式な耐用年数です。「エスケー化研」以外のメーカーは、塗料のカタログやウェブサイトで期待耐用年数を公開していないため、知るためには自分で問い合わせる必要があります。シリコン塗料の耐用年数の確認方法
①見積もり書で使用予定の塗料名を確認
業者の見積もりが到着したら、見積もり書の「塗料」「上塗り材」といった項目に記載されている、使用予定の塗料名を確認します。
見積もり書に具体的な塗料名の記載がない場合は、施主に塗料の耐用年数を隠そうとしている可能性が考えられるので、その業者との契約はオススメしません。
②見積もりに記載されている塗料名でネットを検索
塗料名をインターネットで検索します。
塗料製品のカタログや公式ページ、メーカーがわかるはずです。
もし塗料名で検索しても出てこない場合、公称耐用年数が不詳の塗料の可能性があるので、その業者との契約はオススメしません。
③メーカーを特定し、お客様窓口にTEL
メーカーのウェブサイトから、業務用塗料についての質問窓口を確認し、電話をかけます。
主要なメーカーの窓口は以下にまとめました。
(メールのみ)
塗料メーカー | 電話番号もしくは窓口 |
---|---|
日本ペイント | 塗料についての窓口(全国の営業所)一覧 |
エスケー化研 | 製品情報に関するお問い合わせフォーム(メールのみ) |
関西ペイント | 業務用塗料のご質問:06-6201-1116(平日 8:30~12:00、13:00~17:00) |
ロックペイント | お問い合わせWebフォーム(メールのみ) |
菊水化学工業 | お問い合わせ(電話/メール) |
水谷ペイント | お問い合わせ:06-6391-3039(平日 9:00~12:00、13:00~15:00) |
アステックペイント | お問い合わせ |
④窓口で、塗料の期待耐用年数を尋ねる
メーカー公式の期待耐用年数を回答をもらい、シリコン塗料の相場どおりかを確認します。
標準的なシリコン塗料の耐用年数は、外壁用で「10~15年」、屋根用で「8~12年」です。
勧められても安心して使えるシリコン塗料
シリコン塗料は、シリコン樹脂の含有率が高いものほど、耐用年数が長くなり、塗膜の汚れにくさが高まります。
比較的安心な範囲である、シリコン含有率45~65%の塗料には以下のような製品が挙げられます。
- 水性セミシリコン(エスケー化研)
- クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)
- セラMシリコンⅡ(関西ペイント)
注意すべきシリコン塗料の名称・種別
シリコン塗料でも、期待耐用年数が平均的なもの(外壁で10~15年、屋根で8~10年)よりも短い製品は、確認がとれたものだけで以下のようなものがあります。
塗料名もしくは種別 | 期待耐用年数 |
---|---|
メーカー:エスケー化研 | |
「セラミガードNEO」 | 8~10年(外壁) |
「水性ヤネフレッシュシリコン」 | 6~8年(屋根) |
「ルーフスターSi」 | 6~8年(屋根) |
「一液ルーフスターシリコン」 | 6~8年(屋根) |
「ヤネフレッシュSi」 | 6~8年(屋根) |
メーカー:水谷ペイント | |
「水系カスタムシリコン」 | 5~6年(屋根) |
シリコン塗料を悪用する業者の特徴
見積もり書に塗料名を記載しなかったり、検索しても出てこないほどのマイナーな塗料・自社オリジナルの塗料を使おうとする塗装業者は、その塗料の公称耐用年数を隠そうとしている疑いが強まります。
そのような業者に施工を任せると、塗料の価格こそシリコン塗料の相場どおりでも、実際は安物で、塗膜の寿命が短い工事となり、後悔してしまうおそれがあります。
ご注意ください。
注意すべき業者の特徴
- 見積もりに塗料名を記載しない
- 見積もりの塗料名をネットで検索してもメーカーがわからない
- 「オリジナル塗料」「OEM塗料」を使おうとする
>>【参考記事】「屋根塗装の見積もりはどこを見る?適正金額と契約前の注意を解説」
より安く、より質の良い塗装業者を見つける方法
最後に1点、塗装リフォームを検討中の方によくある不安を解消したいと思います。屋根や外壁の塗り替え業者を決める前には、複数の業者から「相見積もり」をとることがオススメです。
3~4社ほどの業者から相見積もりをとることで、
- ・適正金額が見えてくる
- ・業者の説明力や人柄が比べられる
- ・感じの悪い業者を避けられる
というメリットがあります。
とくに外壁塗装は、業者により「単価」や「塗装面積の測り方」や「塗装の腕」がバラバラなので、1社からの見積もりだけを見て決定するのはややリスキーと考えられます。
「そんなにたくさんの業者に心当たりがない…」という方は、よろしければこのページにある料金無料診断ツールから、相見積もりをとることができるので、ぜひご利用ください。
当記事から相見積もりをしていただいた方へのサービスとして、選ばなかった業者への気まずいキャンセル連絡を、お客様にかわって当社が連絡をお引き受けいたします。
記事のおさらい
最後に、記事の要点を振り返ってみましょう。
シリコン塗料の耐用年数は?
外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年が目安です。シリコン塗料は、4種類ある住宅用塗料の中では上から2番目のグレードに位置します。詳しく知りたい方はシリコン塗料の耐用年数は?をご覧ください。
シリコン塗料のメリット・デメリットは?
メリットは「汚れが落ちやすい」「艶が映える」など。デメリットは「ひび割れしやすい」「DIYに不向き」などです。詳しくはシリコン塗料のメリット・デメリットをご覧ください。
シリコン塗料の適正価格は?
塗装面積1㎡あたり「2,200円~3,000円」、家一軒あたりの塗装代にして「39万~51万円」が目安です。詳しくはシリコン塗料の費用・コストパフォーマンスをご覧下さい。
シリコン塗料のおすすめ製品は?
外壁用ではエスケー化研の「プレミアムシリコン」など、屋根用では日本ペイントの「サーモアイSi」などが定番製品です。詳しくはシリコン塗料のおすすめ人気製品をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
シリコン塗料以外のおすすめ塗料は?
シリコン塗料以外にも、外壁塗装においてはよく使用される「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「フッ素塗料」があります。詳しくは、シリコン塗料以外の外壁塗料をご覧ください。
外壁塗装で使用される塗料の種類をもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
小林敏勝『わかる! 使える! 塗料入門』(日刊工業新聞社 2018)
平野八州夫『住まいのリフォーム 外壁塗り替え塗装入門』(慧文社 2008)
▼インターネット
塗装スクール WAKA-地域の学び屋さん-「シリコン塗料!同じ名称でも耐久性は2倍違う【安物塗料と高級塗料の違い】」
▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏