水性のペンキが乾く時間は、夏だと30分~1時間・冬だと1時間~2時間が目安になります。
ただし、塗料を乾燥させる方法や放置時間は塗り方や対象の素材によって変化し、さらに気温や湿度にも影響されます。
本記事では、水性ペンキを自分でキレイに塗るための乾燥時間の目安と、乾燥中にしてはいけないことを解説しました。
水性ペンキが乾く時間は?
水性ペンキが乾く時間はメーカーや塗料の種類によって異なります。また、塗装した日の気温や湿度によっても乾燥時間が変化します。
水性ペンキが乾く時間はおよそ1時間程度
水性ペンキが乾く時間は、夏の晴れた日は約30分~1時間、気温の低い冬では1時間~2時間が目安です。
カラッと晴れた夏であれば、他の場所を塗装している間に乾いているくらいのスピードですが、冬や雨が多い季節には半日経っても乾かないこともあります。
気温が高く湿度が低いほど乾きやすい
水性ペンキは気温が高く湿度が低い日に塗装すると、塗料に含まれる水分が蒸発しやすいため、早く乾きます。
晴れた日が続く夏や乾燥した秋頃には塗装しやすく、寒い冬や梅雨の時期には塗装しにくいと言えます。
スピーディに塗装するなら、気温が高く晴れた日が適しています。
水性ペンキは油性ペンキよりも乾きやすい
一般的に水性ペンキは油性ペンキよりも乾くのが早いという特徴があります。
ペンキには主に3つの種類があります。
ペンキの種類 | 特徴 |
水性ペンキ | 乾くのが早い、扱いやすい |
油性ペンキ | 乾くのが遅い、耐久性が高い |
ラッカーペンキ | 最も乾くのが早い、薄くしか塗れない |
対して、油性ペンキには水の代わりに有機溶剤やシンナーが含まれます。そのため、油性ペンキは溶剤塗料とも言われます。
これらは水よりも乾く時間が長い代わりに、乾燥後の耐久性に優れる特徴があります。
一方、ラッカーペンキは揮発性が高く乾燥が早いことが特徴です。ただ、重ね塗りはできず塗膜は薄くなります。耐久性は低いですが綺麗に塗装しやすいので、ツヤ出しや仕上げ塗りに使われることが多いペンキです。
主に水性ペンキと油性ペンキで迷う方が多いと思います。ここで水性ペンキと油性ペンキの違いを見てみましょう。
水性ペンキと油性ペンキの比較
水性ペンキ | 油性ペンキ | |
乾く時間 | 夏 30分~1時間 冬 1時間~2時間 |
夏 1時間~2時間 冬 3時間~5時間 |
扱いやすさ | ◎ 作業も保存もしやすい | × 取り扱い注意 |
塗りやすさ | ◎ 初心者でも塗りやすい | × プロ向き |
耐久性 | △ 油性には劣る | ◎ 強い |
におい | ◎ ほぼしない | × シンナー臭あり |
適応素材 | 屋内が中心。木材、サイディング、スレートなど | 屋外が中心。ガラス、アルミ、金属など |
価格 | ◎ | △ |
主に屋内の塗料に適しています。室内の壁や天井、棚や椅子などの家具の塗装にオススメです。
もし野外で使用したい場合は、耐久性を高めるため下塗り用塗料や仕上げ塗料を一緒に使用するとよいでしょう。
室内の塗装なら、ほぼ水性ペンキ一択といえます

まとめ:水性ペンキのメリット・デメリット
- ●乾燥が早い
- ●ニオイがほぼ無い
- ●初心者でも塗りやすい
- ✔乾燥後の耐久性は油性ペンキに劣る
水性ペンキの乾燥時間と仕上げのルール
水性ペンキの乾燥には、4つの段階があります。
仕上げの「重ね塗り」をしてもいい状態になるには、指で触れて塗料がつかなくなっただけではまだ早いのです。
なので、「どのくらい乾けば重ね塗りしていいの?」「乾いたかどうか、どう判断したらいいの?」と、迷ってしまうこともありますよね。
塗料が乾く過程をしておくことで、正しく判断することができます。
水性ペンキの乾燥時間とその過程
水性ペンキが乾くまでにはいくつかの過程があります。
過程 | 乾燥時間 | 状態 |
---|---|---|
1. 指触乾燥 | 1~2時間後 | 軽く指で触っても指に塗料が付かない状態 |
2. 半硬化乾燥 ここから重ね塗りOK! | 1日後 | 軽く手で擦っても表面に跡が付かない状態 |
3. 硬化乾燥 | 1週間後 | 指で押しても表面に指紋が付かない状態 |
4. 完全乾燥 | 2週間後 | 内部まで完全に乾燥した状態 |
一般的に水性ペンキの乾燥時間は1~2時間としているメーカーが多いですが、実際にはその日の季節・温度・湿度・日当たりによって乾燥時間が変動します。
重ね塗りできるのは、「半硬化乾燥」してから
接触乾燥と言われる段階で重ね塗りをすると、失敗する可能性が高いです。安心して重ね塗りできるのは、約1日後の半硬化乾燥した状態からです。
塗装した面を指で軽く擦っても、表面に跡が付かなければ重ね塗りができる状態です。強くこするとぐにゃっとよれることがあるため注意します。
重ね塗りも完了し完全に乾燥させるには、2週間ほど経過を観察してみましょう。
壁紙や棚などのDIYに使用するような塗膜の薄い水性ペンキであれば、半日ほど経過した時点で重ね塗りができるものもあります。
しかし、外壁や屋根塗装のプロが扱う塗料では、1日1工程が一般的です。屋外塗装の場合は、美しく仕上げるためにも重ね塗りは翌日以降に行います。
重ね塗りは、指で「擦って」何も付かなくなってからが目安です

業者依頼でもDIYよりオトクに塗装する方法
いざDIYでペンキを塗ろうと思うと、思った以上に時間がかかったり、きれいに仕上げられなかったりします。
かといって、業者に依頼すると費用が高そうで不安ですよね。
しかし、長期的なコストパフォーマンスや出来栄えを考えると、DIYよりもオトクになることが多いです。
さらに、専門業者に依頼をする際、助成金や火災保険金が使えば、相場よりも20万円以上安く工事できる可能性があります。
外壁塗装を安くするための助成金・火災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
水性ペンキを乾燥する時の注意点
水性ペンキが乾く時間までに注意しておきたいポイントを見てみましょう。
手で触らない・物を立てかけない

塗装した表面は乾いていても、塗膜より内側の部分は乾燥していないことがあります。
強く触るとぐにゃっとへこんで、手の跡が付いてしまいます。凹凸ができたりシワになると、経年劣化が早くなるため、触りたい気持ちがあっても我慢しましょう。
また、乾燥中であることを忘れて物を立てかけてしまうこともあります。「塗装した壁に脚立を立てかけてしまった」「自転車のハンドルが当たってしまった」という失敗も多くあります。
乾燥させている間は、時間の経過と共に注意力が欠けてしまうことがあるため、忘れないように貼り紙をするなどの工夫も必要でしょう。
天気が良い日に塗装する

塗装は天気が良い日に行うようにしましょう。できれば、気温が高い初夏から秋頃に塗装するのがオススメです。
また、カラッと乾燥して日差しがあるタイミングが良いでしょう。
寒い日でも塗装できますが、限度があります。ほとんどの塗料は気温が5℃以下、または湿度85%以上での施工はできません。 乾燥しにくいだけでなく塗膜が流れてしまったり、ムラになったまま固まってしまいます。
次の日の天気もチェックする

塗装するなら、施工当日だけではなく翌日の天気もチェックしましょう。
スムーズに乾燥させるには、翌日の温度と湿度も重要です。さらに重ね塗りをするのであれば、2~3日後まで連続して天気が良い日を選びましょう。
6月~7月初旬の天気が安定しない梅雨の時期は避けた方が無難でしょう。
自分で上手に仕上げられる自信がない…そんな場合は業者に頼もう
ここまでペンキ塗装のDIYでの方法を詳しく解説してきましたが、実は塗装のDIYは非常に難易度の高い作業です。
せっかく道具を揃えて丁寧に塗っても、すぐに不具合が出たり、思っていたのと仕上がりが違ったり……ということも珍しくありません。
そのため、できるだけDIYよりも専門業者に依頼するのがよいでしょう。
「でも、業者に依頼すると修理費用が高くなるのでは…」「なるべく安く済ませたいんだけど…」
そんな不安をお持ちの方には、複数の業者で相見積もりをとることをおすすめします。
なぜなら、業者によって使う塗料や職人の技術力が異なり、見積額が大きく変わるからです。
だからこそ、複数社で見積もりを比較して依頼先を決めることで、修理費用をおさえることができるのです。
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水性ペンキの乾燥に失敗した時の対処法
塗料が乾く前に重ね塗りをしてシワになってしまったり、時間をおいてもなかなか乾かなかったりと、もし失敗した場合はどう対処したらよいでしょうか?
乾燥していないのに触って跡が付いてしまった
ペンキが乾く前に触ってしまい手の跡が付いてしまった、物がぶつかって塗料がよれてしまったなど、跡や凹凸が付いたらその程度によって対処法が異なります。
指紋程度の小さな跡や傷
小さな跡や傷であれば、重ね塗りをして解消することができます。少し凹凸があれば、サンドぺーパー(紙やすり)などで平らに研磨してから重ね塗りをすると、綺麗に仕上がります。
大きな跡やペンキのダマ
凹凸が大きな跡やペンキのダマがぼこっと出てしまったら、出っ張った部分をカッターなどで削ぎ落します。
完全に乾く前に行えば作業しやすくなります。細かい凹凸が気になる場合はサンドペーパーで研磨しましょう。その後、重ね塗りをして処理します。
綺麗に塗ったのに翌日見ると、表面にムラやシワができていた
綺麗に塗っても乾燥する前に水分を含むことで塗膜が流れ、表面にムラやシワを発生させることがあります。
塗装した日の湿度には問題なくても、夜露によって表面が流されることがあるのです。
夜露による影響を避けるには、昼間のうちに工程を完了させることです。
特に秋から冬の寒い日では午後2時までには塗り終わるようにしましょう。
屋外塗装をしていて、乾燥する前に雨が降ってしまった
乾燥する前に雨が降ってしまうと、雨水で塗料が薄まり耐久性が失われます。また、雨だれや色ムラが発生したり、塗膜が流れてしまうことがあります。
塗装中に雨が降ったら、まずは十分に乾燥するまで時間を置きます。
雨が降った日は塗装を中止しましょう。
雨がやんでも湿度が高い日が続く場合は、塗装は延期したほうがよいでしょう。後日、湿度と温度をチェックし、塗料が乾燥していれば次の工程に進みます。
水性ペンキの乾燥についてのよくある疑問
水性ペンキが乾く時間についてよくある疑問をまとめました。
サッシに塗ったペンキがなかなか乾かないのはどうして?
一般家庭のサッシは主にアルミサッシです。アルミ素材は水性ペンキの定着が悪く、乾燥しづらい性質があります。アルミや金属類に水性ペンキを使用する際は、専用の下塗り用塗料を使うと塗装しやすくなります。
水性ペンキは水で濡れても塗装は落ちないの?
「水性」と聞くと、水性絵具のように水で簡単に落ちるイメージがありますよね。しかし、水性ペンキは乾燥して素材に定着すれば、水で落ちることはありません。乾燥すると表面にフィルムのような塗膜を形成するため雨や水分にも強くなります。
正確な乾燥時間は決まっているの?
水性ペンキの正確な乾燥時間は、メーカーのカタログを確認しましょう。塗料に使われている素材やその配合によって乾燥時間は異なってきます。正しい方法で塗装する場合は、カタログに掲載してある塗装手順や乾燥時間、注意事項をチェックしてみましょう。
水性ペンキの乾く時間は正確に把握しよう!
水性ペンキをキレイに塗るために…
乾く時間は、夏で30分~1時間、冬は1時間~2時間程度
乾く時間はその日の気温や湿度、日当たりによって変動する
スピーディに乾かすなら、天気の良い昼間2時までに作業
水性ペンキを綺麗に仕上げるためには、焦らずじっくり乾燥させることがポイントです。
焦ってしまうと、余計な手間と時間がかかってしまいますよね。「早く仕上げたい!」という気持ちを抑えて、ゆっくり作業することが重要です。
それでも「ペンキがなかなか乾かない…」「大変そうだから業者にお願いしたい」という方は、塗装専門業者への依頼も検討してみましょう。
特に外壁やサッシの塗装は専門技術が必要になるため、プロに任せると安心です。見積もりや相談だけでも受け付けてくれる業者はたくさんあるので、ぜひ相談してみてくださいね。