外壁のコーキングは、時間の経過とともに劣化が進みます。劣化したコーキングは、雨漏りのもとです。
コーキング剤には様々な種類がありますが、外装の雨漏りには変成シリコンを使うことが一般的です。
本記事では、外壁コーキングの雨漏り補修手順、補修を業者に依頼した場合の費用相場などを解説します。
外壁コーキングが劣化すると雨漏りの原因に?
外壁コーキングの劣化が、雨漏りの原因を引き起こす可能性があります。
コーキング劣化の原因は、紫外線・振動・揺れなどの影響によるものです。
劣化が進むと弾力性を失い、ひび割れが発生します。
そのまま放置すると防水効果が低下し、雨水が侵入してしまうでしょう。
外壁コーキングで雨漏りの応急処置はできる?
「雨漏り対策したいけど、コーキング(シーリング)技術でカバーできるのか。」と、気になっている方は多いでしょう。
実際に外壁コーキングで雨漏り対策することは可能です。しかし、自分でコーキング剤を使って雨漏り対策するのはかなり難しいといわれています。自分でコーキングしたいという方は、これから紹介する注意点に気を付けて無理のない範囲で行うようにしましょう。
雨漏り対策で外壁をコーキングする際の注意点
これから、雨漏り対策のために自分でコーキング材を使って外壁を補修する際に注意するべきことを紹介していきます。これからコーキングする人は、これらのことに気を付けるようにしましょう。
まず雨水の侵入口をしっかり突き止めること
雨漏りの場所を突き止めなければ、原因が分からず素早く対応できなくなってしまいます。主にコーキングの割れ、剥がれ、ひび割れ、欠けなどの劣化個所が原因となっている可能性が高いとされており、劣化具合によって対処の仕方が違います。また、雨漏りしそうな場所を事前に知っておくことも大切です。
無理に自分で施工しないこと
屋根上のコーキングは素人には難しいといわれており、非常に危険な作業です。無理に自分で施行してしまうと状態が悪化し、雨漏りの原因特定が難しくなったり、転落事故につながる可能性もあります。作業する際には身の安全に十分に注意しましょう。
外壁コーキングで雨漏りを補修する手順
では、外壁のコーキング工事の作業手順を解説します。
雨漏りが発生していなくても、コーキング作業の流れは同じです。
外壁コーキングで雨漏りを補修する手順
- 施工前にホコリ・汚れの除去を行う
- 施工部分周辺にマスキングテープを貼る
- 既存のコーキング部分の上・ひび割れている内側部分にプライマーを塗る
- コーキングガンでコーキング材を充填する
- ヘラで充填したコーキング材を平たくならす
- マスキングテープを剥がし乾かす
①施工前にホコリ・汚れの除去を行う
まずはコーキングの前に、付着している汚れ・苔を落とします。
密着性をあげるため、下地の掃除は欠かせません。
部分的なコーキング補修程度であれば、ハケ・水洗いなどで汚れを落としておきましょう。
②施工部分周辺にマスキングテープを貼る
画像出店元:YouTube 塗装職人チャンネル【公式】「本物のシーリング職人完全版・サイディング外壁」(以下同様)
コーキング材の汚れを落としたら、マスキングテープを貼ります。
目地に対して左右に2本貼るのがポイントです。
マスキングすることにより、このあとに塗るプライマーやコーキング材で外壁を汚さずに済むようになります。
③既存のコーキング部分の上・ひび割れている内側部分にプライマーを塗る

刷毛(ハケ)を使って、目地にプライマー(下塗り材)を塗り込みます。その後、プライマーが乾くまで待ちます。
プライマーを塗ることにより、目地とコーキング材の密着性を高め、作業後の防水性がアップします。
④コーキングガンでコーキング材を充填する

コーキング材をコーキングガンにセットし、目地の上から下に向かって流し込んでいきます。
目地の下端まで充填したら、ヘラを使って目地の奥までコーキング材を押し込み、馴染ませます。
押し込む際に、マスキングテープの幅から充填材がはみ出さないように注意してください。
ポイント
- コーキング剤は、耐久性に優れている・衝撃に強いといった様々な種類があります。
- 外壁の雨漏りには、変成シリコンの使用が一般的です。
⑤ヘラで充填したコーキング剤を平たくならす
盛り上がってしまっている表面のコーキングをならすように、ヘラをすべらせます。
⑥マスキングテープを剥がし乾かす

コーキング材が乾かないうちに、マスキングテープを剥がします。目地の部分だけにキレイにコーキング剤が残ります。
あとは、製品指定の乾燥時間に従って、目地を乾かします。
外壁のコーキングで雨漏りを補修する手順は以上です。
コーキング以外の雨漏りの応急処置方法4つ
ここまでは、コーキングして雨漏りを防ぐ方法を紹介しました。しかし、コーキングするには、お金や時間・専門知識が必要となってしまいます。
ここからは、「雨漏りの補修をしたいけどコーキングする時間やお金がない」という方のために、誰でも簡単にできる雨漏り対策の方法を紹介していきます。しかし、ここで紹介するのはあくまで「応急処置」なため、雨漏りを完全に防げるという保証はありません。最終的には業者に頼むことをおすすめします。
1:防水テープを使う
はじめに紹介するのは、防水テープを使う方法です。手順は簡単で、雨漏りしている箇所の周りを雑巾で拭き、空気が入らないように気を付けながらテープを貼るだけです。
この方法は雨漏りしている場所が特定できている場合に効果的ですが、「雨が降っている間は使えない」、「広い範囲に貼らない」ことに注意しましょう。
2:防水シートを使う
次に、防水シートを使った方法について紹介します。防水シートは、主に屋根や屋上に貼られるもので、水を通さない性能を持っています。そのため、屋根に防水シートを貼ることで雨を防ぐことはできますが、外壁や瓦の劣化による雨漏りを防ぐことはできません。
この方法は、広範囲をカバーできるため、さまざまな箇所や大きさに対応できますが、高所での作業は危険を伴うため注意しましょう。
3:ブルーシートを使う
次に紹介するのは、ブルーシートを使う方法です。一般的な方法はブルーシートを敷いた上にバケツを置く方法と、屋根裏にブルーシートを敷いておくことです。
他には、大きめのブルーシートを広い範囲にかぶせ、上に土のう袋を置いてブルーシートが風で飛ばされないようにする方法もあります。
この方法は、雨漏りしている具体的な場所が分からない場合に効果的ですが、危険が伴う難しい作業なため気を付けて行いましょう。
4:室内はゴミ袋を活用する
最後に、ゴミ袋を利用する方法を紹介します。1つ目は窓枠の下にごみ袋を敷き、雨水の広がりを抑える方法です。
2つ目は、大きめの複数のゴミ袋を縦状につないで筒状にし穴をあけ、それを天井に貼り付け、ゴミ袋の下にバケツを置いておく方法です。
これらの方法はとても簡単にできますが、後処理が面倒なことと、天井にしっかりとごみ袋を貼り付けないとゴミ袋が落下して水浸しになってしまうという問題点があります。
雨漏り対策の外壁コーキングは業者依頼も検討を
ここまでは、自分で雨漏り対策する方法について挙げてきましたが、外壁のコーキング補修は業者に依頼することもできます。
外壁コーキングの補修費用の相場は、ひび割れ程度であれば10万円程度、コーキングの打ち替えや足場が必要となると50万円近くかかる場合があります。
外壁のコーキングは危険な場合があるため、補修方法などに困った際は、すぐに業者に相談するようにしましょう。


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