外壁の塗装工事を検討している方の中には、「工事期間はどれくらいかかるのか?」と気になる方も多いでしょう。
外壁塗装にかかる期間は、30坪前後の2階建て住宅の場合で、7~10日前後です。また、期間は建物の大きさや天候などによって左右されます。
そこで本記事では、外壁塗装にかかる全体の期間のほか、屋根と同時塗装した場合の期間も詳しくご紹介します。各工程ごとの期間、期間が延びる場合について詳しく解説していますので、工事スケジュールが気になる方の参考になりましたら幸いです。
外壁塗装にかかる期間は7~10日前後
外壁塗装にかかる期間は、30坪前後の2階建て住宅の場合7~10日前後です。
ただし、外壁塗装にかかる期間は、建物の大きさや季節、天候、職人の数によって前後します。当然ですが、住宅が大きければ大きいほど、比例して外壁塗装期間も長いです。
外壁塗装の期間が延びてしまうケースについては「外壁塗装の期間・日数が伸びることもある?」で解説していますので、ぜひご覧ください。
建物の規模ごとの外壁塗装にかかる期間の目安は、下記の通りです。
<外壁塗装期間の住宅ごとの目安>
住居 | 期間 |
---|---|
30坪前後の2階建て住宅 | 約7日~10日 |
50坪以上の住宅 | 約2〜3週間 |
アパート | 約2〜3週間 |
マンション | 約1〜2か月 ※規模によって変わる |
外壁と屋根を同時に塗装する場合の期間
外壁塗装と屋根塗装を同時に行う場合、一般的な工事期間は約10〜14日が目安となります。
通常の外壁塗装にかかる日数は約7〜10日ですが、屋根の塗装を加えることでプラス3〜4日ほどの追加が必要です。
屋根塗装の工程としては、まず足場を組み立て、高圧洗浄で外壁と屋根の汚れを落とします。その後、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装を行い、乾燥時間を確保しながら仕上げていきます。
外壁と屋根を別々に塗装すると足場の設置が1回で済むため、同時に塗装する方も多いです。
ただし、先にご紹介した通り屋根塗装もプラスすると2週間ほどかかるため、同時に塗装する場合は留意してください。
外壁塗装の工程と日数の目安
外壁塗装の工程と期間について解説していきます。それぞれの期間の目安は以下の通りです。
-
- 挨拶・塗装準備:約1日
- 足場設置:約1日
- 高圧洗浄:約1~3日
- 下地補修:約1日
- 養生:約2日
- 外壁塗装・下塗り:約2~3日
- 外壁塗装・中塗り:約2~3日
- 外壁塗装・上塗り:約2~3日
- 点検・検査:約1日
- 足場解体・整地等:約1日
挨拶・塗装準備(期間:約1日)

外壁塗装工事には、塗料の飛散や悪臭、騒音などが原因で、近隣住民とのトラブルに発展するケースも少なくありません。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも事前の挨拶回りは非常に大切です。
業者から挨拶回りをしてくれることがありますが、誠意を伝えるためにも、必ず自身でも挨拶回りをしましょう。
- 工事期間
- 工事の開始時間と終了時間
- 休日の工事の有無
- どのような迷惑がかかる恐れがあるのか?
足場設置(期間:約1日~)
外壁塗装を安全かつ作業効率よくスムーズに行うための足場を組んでいきます。
さらに高圧洗浄中や塗装作業中に洗浄水や塗料が周囲に飛散しないよう、足場に養生シート(飛散防止ネット)を張ることもあわせて行います。
なお、足場の設置を専門業者に依頼する場合、設置期間が1~2日増えることもあるので注意しましょう。
高圧洗浄(期間:約1~3日)

外壁塗装の前に、外壁や屋根などの古い塗膜や塗装面に付着している汚れやホコリ・こけ・藻・かびなどを高圧洗浄機で洗い落としていきます。
高圧洗浄は半日から1日かけて行い、洗浄後は最低でも24時間、下地の状態や気候条件によっては48時間の乾燥時間が必要です。
また、汚れの程度や洗浄方法によっても必要な期間は異なってきます。
>>外壁塗装に高圧洗浄は必須?高圧洗浄の注意点や費用相場を解説!
下地補修(期間:約1日~)
下地補修は塗装を行う前の下処理工程です。
ひび割れ(クラック)や欠損がある場合には、症状に応じて適切な補修を行います。外壁や屋根の種類、状態によって作業内容が異なりますが、劣化が進んでいる場合には数日間の補修が必要な場合もあります。
下地補修は塗装前の下準備として最も重要な工程になるため、見積時に「下地補修」が含まれているか、確認しておくことが大切です。
養生(期間:約1日)

養生では玄関ドアやサッシ、給湯器などに塗料が付着しないように、マスキングテープやビニールシートなどで覆って保護する工程です。
通常は半日程度の作業となり。養生が終わると、本格的な外壁塗装に入ります。
下塗り・中塗り・上塗り(外壁)(期間:各約2~3日)
下塗り(外壁)
まずは、上塗りの密着性を高めるための下塗りを行います。
経年劣化の具合や塗装面の状態によっては塗料の吸い込みが激しいため、下塗りを2回以上行う場合もあります。下塗りの工程は、シーラーやフィラー、プライマーなどと見積もり書に記載されていることが多いです。
中塗り(外壁)
下塗り終了後、中塗りを行います。
塗料の調合や塗布量、乾燥時間など塗料メーカーの施工要領書に記載されている通りに施工を実施していきます。
外壁塗装は乾燥させる時間を設けることが大切です。乾燥時間を短縮してしまうと、塗装後に不具合が発生してしまうため、適切な時間を設けるように計画を立てていきます。
上塗り(外壁)
中塗り塗料が乾いたことを確認した上で上塗りを行います。
上塗りでは、破風板・軒天・雨どい・雨戸・水切り・換気扇フードなどの雑部塗装もあわせて行うのが一般的です。
なお、時間短縮のために中塗りと上塗りを同時に行う業者が見受けられますが、そうした提案を受けた際には注意が必要です。
業者としては作業時間が短縮するため、利益につながるメリットがありますが、依頼側にはメリットがありません。なぜなら完全に乾ききっていない塗料の上に重ね塗りをしても、塗料本来の性能が発揮されないためです。
後々から不満につながる可能性があるため、十分に留意しましょう。
点検、検査(期間:約1日)
雑部塗装を含む一連の作業の完了後、職人や施工会社による自主検査が行われます。
塗り残しや塗りムラを点検し、足場解体前に施工会社立ち合いのもとで施主検査を行います。
検査で気になる箇所があれば、その場で手直しを依頼する流れです。
足場解体、整地等(期間:約1日)

点検、検査を行った後、足場とシートを解体します。
最後に建物周囲のゴミの清掃や整地などを行い、外壁塗装工事は完了となります。
外壁塗装で事前に知っておきたいこと
外壁塗装を実施する前に、以下の2点について押さえておくことが大切です。
外壁塗装の期間は短縮できない
外壁塗装の工程はどれも十分な時間を必要とするため、期間を短縮して対応することはありません。前章で解説したように概ね2週間前後の期間を見込んでおき、業者側から工事の見込み日数が短い提案をしてきた場合は注意が必要です。
たとえばある業者が「7日以内に外壁塗装が完了する」といった提案をしてきた場合、重要な工程を飛ばしてしまったり、手抜き工事に至ってしまったりする可能性があります。
外壁塗装は日常生活で不便を感じる部分も多々ある作業ですが、十分な日数を確保する必要があることは理解しておきましょう。
外壁塗装期間中は洗濯物を外に干せない
外壁塗装期間中は洗濯物を外に干せないことがほとんどです。
なぜなら職人さんの作業の妨げになってしまったり、汚れや塗料が洗濯物に付着してしまう可能性があるためです。外壁塗装期間中は部屋干しやコインランドリーで対応する必要があります。作業開始後から慌てないように、事前に洗濯物の対応について考えておきましょう。
また、付随して作業中は窓が開けられない可能性もあります。窓を開けてよい時間帯はあるかなど、事前に業者と確認しておきましょう。
外壁塗装の期間・日数が延びることもある?

外壁塗装の期間は状況によって、変動する場合があります。
主に以下のような場合は、工程が変動する要因になります。
経年劣化が激しく補修に時間がかかる場合
経年劣化が激しい場合には、下地補修や下塗りに時間や手間がかかるため、工期が長くなります。面積や建物形状、施工のしやすさ、仕様(コーキングの有無等)などによって、大きく工期が異なる場合もあります。
雨や台風などで塗料が乾かない場合
外壁塗装では塗料を乾かす時間が必要です。外壁塗装では一度雨で濡れてしまうと、乾燥が不十分になってしまうため次の工程に進めません。
そのため雨天の場合には、作業を中断する必要があります。
また風の強い日だと塗装面にホコリが付着してしまい、十分な作業に至らず、中断するケースもあります。
乾燥に時間がかかる塗料を使用した場合
塗料の性能を十分に発揮させるためには、前の塗料を十分に乾燥させてから次の塗料を塗ることが大切です。
塗料にはそれぞれの塗料メーカーから適切な乾燥時間が定められており、気温や湿度により適切な時間は異なります。
23℃前後の気温では、概ね3~6時間程度と定めていますが、メーカーによっても異なるため、事前に確認しておきましょう。業者によっては下塗り後、1日空けることを徹底している場合もあります。
冬などの日照時間が短い場合
冬は日照時間が短いため、1日の作業可能時間が夏場と比べて短くなります。
同じ工事内容、同じ条件でも、冬は工期が1~2日長くなることも珍しくありません。
季節ごとの外壁塗装のメリット、デメリットについては以下の通りです。
<各季節ごとのメリットデメリット一覧表>
メリット | デメリット | 備考 | |
---|---|---|---|
春 | 空気が乾燥しているので工事にはベストな時期 | 優良業者だと予約で埋まっていることが多い | 遅くとも2カ月前(1~2月頃)から施工予約をしておくことがオススメ |
梅雨 | 業者にとっては閑散期なので優良業者も割引していることがある | 雨が多く湿度が高いので工期が長引く可能性が高い | しっかりした施工管理ができる業者でなければ、施工不良になる可能性が高い |
夏 | 気温が高く塗料の伸びもよいため作業スピードが早い | 施工中、窓を開けることができないため、猛暑日は特に息苦しく感じる | 開窓不可能な工程や、開窓を推奨しない業者も。必ず事前に確認する必要がある。 |
秋 | 空気が乾燥し、天候も穏やかなため、施工がしやすい時期 | 優良業者だと予約で埋まっていることが多い | 遅くとも2カ月前(7~8月頃)から施工予約をしておくことがオススメ |
冬 | 空気が乾燥し、塗料の定着が良いため、施工しやすい時期 | 日照時間が短く、作業時間が短くなる。気温や積雪の影響で工期が伸びる可能性が高い。 | 積雪地域では11月後半~3月初めは施工不可能。 余裕を持った相談が必要。 |
なお、工期が想定よりも変動した場合でも、追加費用が発生することはありません。
しかし、既存の状態が悪い場合や特殊要因がある場合などは、当初の見積もり金額が割高になる場合もなります。
まとめ
外壁塗装の工期について解説してきました。
外壁塗装は概ね2週間前後を見込んでおき、きちんと準備しておくことが大切です。塗装期間や値段はもちろんのこと、塗装期間中は洗濯物を外に干せない、窓が開けられないなどの不便な生活になることを理解して対策しておきましょう。
外壁塗装の期間は基本的に短縮はできません。業者に早く完了できると提案されても、工程の内容が十分に含まれているかをきちんと確認しておきましょう。
なお「そもそも塗装とは?」と思われている方は、下記の記事もあわせて参考にしてみてください。