本記事では、一戸建てのリフォームや新築に向けてデザインを検討中の方に向けて、
- 木目調一戸建てのデザイン事例
- 木目調デザインに使われる色・サイディング材のパターン
- 木目調デザインの販売メーカー
等について、数多くの写真とともに分かりやすく解説しています。
お家の外壁のデザインを決めるにあたって、候補やイメージを固めるお役に立てば幸いです。
▼外壁のおしゃれな配色・色選び全般について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
- 明るめのトーンを使用すると自然と調和しているかのような温かみが出る
- 外壁材は「木質系サイディング」「窯業系サイディング」が木目調なイメージになりやすい
- 木目調の窯業系サイディングの販売メーカーは「ニチハ」「ケイミュー」「旭トステム」がおすすめ
木目調なデザインとは?
「木目調」とは、「木材の木目模様を印刷や塗装で表現したデザイン」を表します。
建築物のインテリアのほか、鉄道の内装や自動車の内外装などにも使用されています。木目調デザインはトーンによってゆったりとした温かみのある雰囲気が出せるため、さまざまなテイストや街の景観に馴染みやすいです。
本物の木材を使用したデザインを希望している際には「木質系サイディング」を使用します。天然木が持つ自然の風合いや経年による味わいを再現できます。木目調なデザインを一般住宅にとり入れる際のコツ
木目調デザインを取り入れる際、「シンプル」「フラット」などを一戸建てのデザイン向けに少し具体的にすると、例えば以下のようなことといえるでしょう。
- 安らぎを感じる雰囲気なら明るめのトーン、高級感を出すなら暗めのトーンにする
- 建具のトーンを軸に選ぶ
- アクセントカラーとしてワンポイントに使用するとおしゃれ
テイスト選びに悩んでいる場合は、「建具」の色味を軸に選びましょう。建具より暗めならモダンでスタイリッシュに、同系色ならナチュラルに、明るめなら北欧のような温かみが演出できます。
トーンによって仕上がりが変わる
同じ木目調でもトーンによって大きく仕上がりの印象が変わります。
トーン | 仕上がり |
---|---|
白 | 海外の田舎を連想させるぬくもりのある仕上がり、フレンチカントリー |
ベージュ | さまざまなテイストに馴染みやすい、温かみと落ち着きを両立させた仕上がり |
暗めのブラウン | 高級感と重厚感があり、メリハリの効いた仕上がり |
これらのポイントを踏まえて、木目調でおしゃれな一戸建てで使われている色や素材とデザインのバリエーションをより深く見ていきましょう。
木目調デザインの外壁に使われるサイディング材
おしゃれな外観に近づけるには、外壁材の選び方も気をつける必要があります。
木目調デザインにしたい場合、外壁は「木質系サイディング」「窯業系サイディング」「金属系サイディング」から選ぶとよいでしょう。
サイディングの種類 | 1㎡あたりの価格 | 耐用年数 | メンテナンス周期 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
木質系サイディング | 6000円~10,000円 | 約15~20年 | 築3年~10年 | 天然木を使用している |
窯業系サイディング | 4000円~6000円 | 約20年~30年 | 築7年~10年 | プリントだがデザインが豊富で安い |
金属系サイディング | 2,300~3,500円 | 約20年~30年 | 築10年~15年 | 機能性に優れている |
木質系サイディング
木質系サイディングのメリット
木質系サイディングの最も大きなメリットは、本物の木材が持っている独特の風格を再現できることです。本物の木材であるため、経年による質感の変化も楽しむことができます。
また、天然素材であるため断熱性に優れており環境に優しいといった利点も存在しています。
木質系サイディングのデメリット
木質系サイディングは防火性が低く、水に弱いです。天然の木材の吸収しやすいといった特徴が、メンテナンスを怠ることによって劣化が進みやすいといったデメリットに繋がっています。
また、他のサイディング材と比較して価格がやや高めです。
窯業系サイディング
画像出典:無垢板型枠RCウォール(ニチハ) 窯業系サイディングのうち、木目調のサイディングは、本物の木材のように温かみのある住宅を仕上げることができます
窯業系サイディングのメリット
木質系サイディングよりもデザインやカラーが豊富に存在しているため、多くの種類の中から理想の外壁を仕上げることができます。
また、木質系サイディングよりも耐久性に優れているので、メンテナンスの手間が省けます。窯業系サイディングは他のサイディング材よりも価格がお手頃なので最もポピュラーな外壁材となっています。
窯業系サイディングのデメリット
窯業系サイディングの質感は表面のプリント(印刷)で再現されていることが多いため、本物の素材感には劣ることがあります。
「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「窯業系サイディングとは?メリットとデメリット、費用やデザインを比較!」
金属系サイディング
金属系サイディングの中でも、木目調デザインは豊富に存在しています。
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングは断熱性と防音性に優れ、省エネ効果があります。また、他のサイディング材と比べて軽量で耐震性が高いといった機能性の高さで人気があります。
金属系サイディングのデメリット
窯業系サイディングと比較すると初期のコストは高いものの、メンテナンス周期が長いので長期的な視点から考えるとコストパフォーマンスは優れています。
金属系サイディングの施工が可能なのは、板金工事業者に限られているため、取り扱いの施工業者が不十分であるといったデメリットが存在しています。
木目調サイディングのおすすめ販売メーカー
木目調のサイディング材が購入できるおすすめの販売メーカーと商品をご紹介します。
メーカー名 | メーカーの特徴 |
---|---|
ニチハ | 窯業系サイディングのシェア率トップ、本物に負けないデザイン性の高さ、色あせ・汚れに強い |
ケイミュー | 汚れにくく雨で汚れを落とす親水性仕様、高いデザイン性 |
旭トステム外装 | 美観と耐久性を備えた防汚機能付きの高コストパフォーマンス |
大和屋 | 自然素材にこだわりながらも見た目・機能共に優れている |
ニチハ モエンエクセラード16 キャスティングウッド 7,200円/枚
ニチハのモエンエクセラード16 キャスティングウッドは、窯業系サイディングでありながらも、まるで本物の木材かのように年輪を重ねた木が造り出すダイナミックな迫力が演出されています。
ニチハ よろい4段木目調 6,300円/枚
ニチハのよろい4段木目調は、板を重ねて張り上げたような凹凸感のあるテクスチャーが、北欧古典主義スタイルを連想させます。
フィンランドの田舎のような温かみのある印象へと仕上がります。
ケイミュー 木目調 5,060円/枚
画像出典:ケイミュー
ケイミューの木目調は、洗練された木目調の表情と明るい色合いの窯業系サイディングです。輸入住宅のような雰囲気を演出することができます。
旭トステム外装 AT-WALL PLUS ラスティウッドP 8,360円/枚
旭トステム外装のAT-WALL PLUSシリーズは防火性と耐候性に優れていながら、木目調を始めとする豊富なデザインがそろった窯業系サイディングです。
ラスティウッドPは、本物の古木を型取りした繊細な木肌で厚みの不揃い感を再現しています。
大和屋 サーモアッシュサイディング 平行四辺形64
画像出典:大和屋
大和屋から発売されているサーモアッシュサイディングは、熱と蒸気のみで処理をした人と自然にやさしい製品で、深い色味と質感で空間をより上質に仕上げます。
工業製品では再現することができない味わい深さを感じられたり、時間が経つにつれての経年の変化を楽しむことができます。木目調な外壁に使われる色
一口に木目調のデザインといっても、濃いブラウンから軽やかなホワイトベージュまで複数のカラーに細分化することができます。カラー別に、木目調デザインの事例を見ていきましょう。
ウォールナット
ニチハの窯業系サイディング「グレインウッドV」から発売されているウォールナットといったカラー。深みがあり品格を感じさせるカラーで、家具、内装、キャビネット用などさまざまなシーンで使用されています。
ウォールナットは重厚感があって洗練された印象を与えるため、モダンテイストと非常に相性が良いです。イエロー
ニチハから発売されている窯業系サイディング「よろい4段木目調」のイエローです。明るく色立ちがいいので、木目調でありながらもパッと目を引く華やかさの印象を与えます。
ベージュ
同じく「よろい4段木目調」のベージュカラーです。柔らかい色味なので日本の街並みに馴染みやすく、控えめな主張しすぎない印象を与えるため、使いこなしやすいカラーとなっています。
ベージュの木目調を基調として、他の色味やレンガ調のサイディングと組み合わせるのも人気があります。
チャコール
チャコールとは「消炭色」とも呼ばれ、黒に近いグレーを表します。ワンポイントで差し色として利用すれば、モダンで品格のある仕上がりとなります。
「色別の施工事例集」を見たい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の色の選び方&全10色分の仕上がり写真30選」
木目調な外壁のデザインパターン
木目調はさまざまなテイストと相性が良いため、複数のデザインパターンが想定できます。
木目柄などをとり入れた「和モダン」や「シンプルモダン」、自然美をモチーフとしたシンプルな「北欧スタイル」から好みのパターンを見つけましょう。
和モダン
モノトーンな色使いや形状でモダンさを、素材選びで和のテイストをそれぞれ加味したデザインが和モダンです。
とくに、黒系の外壁と木材の組み合わせや、フラットな片流れ屋根と伝統を感じる瓦屋根材のあわせ使いが人気です。
和モダンは木目調サイディングと相性が良く、コントラストとなって他の素材も引き立てます。
北欧スタイル
モスグリーンの木目調デザインとレンガスタイルを組み合わせた住宅。ベージュ系で落ちついたトーンのレンガに、2階部分にあえてグリーンを取り入れることによってアクセントとなっています。
オランダの住宅を感じさせるような北欧スタイルの仕上がりとなっています。
シンプルモダン
シンプルモダンは、家の輪郭、窓などの開口部、色や素材の境界などに直線を多用したデザインです。
すっきり・シャープな印象に加えて、構造が単純なため施工費が安く抑えられることもあり、近年人気があります。
黄橙色のアンバーの木目調がアクセントとなり、モダンの美しさをより引き立てています。
外壁を木目調なデザインにするためのポイント
施工事例の収集を通して見えてきた、木目調なデザインの共通点や、木目調デザインをとり入れた家としておしゃれに魅せるための鉄則をご紹介します。
色数は2色以内
木目調デザインの家にしたい場合、外壁で使う色は2色までにするのがオススメです。
どんなに多くても3色は超えないようにし、3色目は使用面積の少ないポイントカラーとして使いましょう。 色数をあまりに多くすると、木目調が持つ特性の柔らかさや品格といった雰囲気からは離れてしまう可能性があります。
使用色数ごとに、モダンデザインの成功例を見ていきましょう。
例① 1色だけの外壁
木目調のシダーブラウンが外壁として使用されている住宅。明るい色合いによって、海外のカントリーテイストを連想させるような仕上がりとなっています。
外壁は1色使用とシンプルな構成ありながらも、洗練された木目調の表情によって、決して地味な印象にはなっていません。
柔らかいベージュカラー1色の木目調を外壁に使用した住宅です。森林と草原の空間に溶け込むかのようなアースカラーで、自然の美しさを引き立てるように調和しています。
例② 2色使用した外壁
アンティークな趣を感じさせる木目調のマホガニーと、真っ白な外壁がツートンとなっています。シンプルで主張しすぎない木目調を使用することによって、ツートンカラーも自由自在です。
木目調な外壁の一戸建て 事例2選
分類に則ったもの以外のおしゃれな木目調デザイン外壁を2例紹介します。
山小屋風をイメージした木目調デザイン
柔らかく温かみのある木目調の雰囲気を生かした、森林に佇むかのような山小屋風の平屋の家です。幅が異なる木目柄を全面張りにし、素朴で飾り気がないカントリーな住宅に仕上がっています。
ディープカラーをベースとした木目調デザイン
カーボンブラック1色のみを使用した木目調デザインの住宅です。窓のない玄関照明といったデザインによってスタイリッシュでモダンな印象を強調しています。
ディープカラーを使用すると尖った印象になりがちですが、外壁に木目調を使用することによってバランスよくシックさを保っています。外壁の色や素材を決める前の注意点
モダンなデザインを志向している・していないに関わらず、家の色やデザインを決定する前に確認しておきたいポイントを最後に解説します。
カラーシミュレーションで色を確かめる
塗料メーカーや外壁材メーカーのウェブサイトには、デザインのシミュレーションページが用意されています。
外壁の色や塗装デザインを最終決定する前に、シミュレーターで色や塗り分けのパターンをいろいろ試しておきましょう。
おすすめのカラーシミュレーターは、エスケー化研のウェブサイトにある「住まいの塗り替えシミュレーション」です。
その理由は、操作が分かりやすいこと、戸建ての形状や色の種類が豊富なことと、候補となる色が決まったあとに塗料の色番号が分かることです。
「カラーシミュレーション」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「調査してわかった!外壁カラーシミュレーションのおすすめ4選+α」
色見本はA4サイズのものを使う
塗料を選ぶ際に、施工店からは無料で冊子タイプのカラーサンプルがもらえると思います。
しかし、色の最終決定は冊子タイプのものではなく、A4大の「塗り板」と呼ばれるサンプルを取り寄せて、実際に屋外で見たり、自宅の壁に立て掛けて色の見え方をチェックしましょう。
塗り板は無料ではなく500~1,000円程度の料金がかかるのが通常で、取り寄せにも1週間前後かかるのが通常ですが、仕上がりに後悔しないためにも使うほうがオススメです。
ドアやサッシの色が変えられない場合も想定する
ドアや窓枠の塗装は、外壁塗装の工事には通常含まれていません。
サッシ等は外壁塗装時の養生の下に隠れてしまう部分であり、塗料も外壁と共通ではないため、同時に作業ができないからです。
玄関ドアやサッシの色が変えられることを前提に、プランを立てないほうがよいでしょう。
なお、サッシの塗装にかかる費用は1箇所につき3~6万円が目安で、作業期間も外壁と分ける必要があります。
そのような背景があるためか、ほとんどの方はサッシの色はそのままで住み続けます。
「アルミサッシの塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装を長持ちさせる!アルミサッシの塗装は7つの工程を丁寧に」
塗装技術が高い業者に依頼する
外壁の色やデザインを決めただけではまだ半分。
実際におしゃれに仕上がるかどうかは、業者の腕にもかかっています。
腕が良くて信頼できる塗装業者に心当たりがない場合は、地域で3~4社ほどから相見積もりをとって、実際の業者と接してみるのが地道ながら有効です。
訪問した担当者の説明の分かりやすさ、質問や要望に対する対応力、担当者の人柄、工事費用など、対面でないと分からない要素を比べて、今後10年以上の家のデザインを託せる業者を見極めましょう。
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この記事が参考になったら、ぜひご利用いただけると幸いです。
まとめ
リフォームをイメージ通りに進めるには、そのイメージを支える要素を特定してとり入れることが重要です。
木目調デザインの場合は、トーンの選び方や、他の外壁材との組み合わせ方がその要素でした。
家の形状まではなかなか変えられないものですが、色や外壁材を気にするだけでもかなりモダンな住宅に近づくはずです。
リフォームや新築が望むデザインで成功することを、編集部一同お祈りいたします。