塗料は大きく分けると無機塗料、有機塗料に分けられますが、それらの良いところをかけあわせた塗料がスーパームキコートです。
本記事ではスーパームキコートのメリットやデメリット、価格相場についてご紹介します。スーパームキコートを家の外壁に検討されている方は是非参考にしてください。
尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。
スーパームキコートとは
スーパームキコートは無機塗料と有機塗料を掛け合わせたハイブリッド塗料です。1971年に設立された、重防食(※)専門のメーカーであるジャパンカーボライン社によって開発されました。
無機塗料の耐候性、有機塗料の弾力性、それぞれの長所を兼ね備えているため、使い勝手が良く、戸建てのみならず、マンションの外壁にも使用されています。
なおスーパームキコートは「スーパーコートシリーズ」の1つで、シリーズの他にはサイディングの保護に最適なクリヤー材であるスーパームキコートクリヤー、屋根用のスーパームキコートルーフなどのラインナップがあります。
(※)「重防食」建物などのサビや腐食を防ぐために行う塗装のこと
スーパームキコートの特徴・メリット
スーパームキコートは「耐候年数が長い」「ニオイが気にならない」「ひび割れにも強い」「汚れに強く、色褪せがしにくい」「燃えにくい」などのメリットがあります。以下からはスーパームキコートの特徴・メリットを1つずつ解説します。
耐用年数が長い
スーパームキコートの特徴として、耐用年数の長さがあげられます。
一般的なシリコン樹脂塗料の耐用年数が10年程度であるのに対し、スーパームキコートの耐用年数は20年~30年と、2倍以上となっています。この耐候性の長さはスーパームキコートのシリコン含有率が関係しています。
外壁塗装でのチョーキング(※)や色褪せは紫外線などによって有機物が劣化して発生します。対して無機物は石やガラスなど、紫外線で劣化しにくいのが特徴です。
スーパームキコートは無機塗料と有機塗料を掛け合わせたハイブリッド塗料です。有機物のつなぎには紫外線に強いシリコンが用いられており、一般的な塗料のシリコン含有率は約5%に対して、スーパームキコートのシリコン含有率は50%以上となっています。
外壁塗装は通常、十年に一度を目安に行いますが、それは塗料の耐候年数が影響しています。スーパームキコートであれば耐候年数は20年〜30年となっているため、長い目で見れば外壁塗装の費用をかなり抑えられるのです。
(※)「チョーキング」紫外線などの影響によって、外壁の塗装が劣化すること。チョーキングが起きると指で撫でると粉のような物質がつきます。
「チョーキング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
経年によるクラックにも強い
上述した通り、スーパームキコートは耐候性が高く、クラック(ひび割れ)にも強いのが特徴です。
塗膜が塗装面の振動や伸縮に耐えられなくなり、ひび割れが発生します。このひび割れから浸水が起こり、より劣化が進む原因にもなります。そのため、塗膜は耐候性だけでなく、振動や伸縮に耐えられる柔軟性も重要になってきます。
耐候性が高い塗料として、フッ素塗料があげられますが、こちらは柔軟性がなく、クラックがおきやすいのも特徴です。スーパームキコートの成分の中には複数の有機塗料が含まれているため、柔軟性を保たせられるようになっています。
ニオイが気にならないので安心
外壁塗装の際、ニオイで近所の方に迷惑をかけるのではないかと心配される方も少なくありません。スーパームキコートはニオイが柔らかいのも特徴です。
スーパームキコートは下塗りと上塗りの二回塗り仕様となっています。下塗りでは揮発性の低いシンナーが用いられた弱溶剤を用いますが、上塗りで用いられるのはニオイのしない水性タイプとなっています。
またスーパームキコートは、非トルエン・キシレン(※)となっており、健康・環境にも優しいという特徴があります。一軒家での外壁塗装の際に、お子さんがいるご家庭でも安心です。
画像出典:(※)「トルエン」「キシレン」:高濃度の場合、人体に影響を及ぼす成分。含有量が各々0.1%(重量比)未満のものを非トルエン・キシレンといいます。
汚れに強く、色褪せがしにくい
スーパームキコートは無機塗料の成分がガラス製品のように光沢をおびた塗膜を作ることでの耐候性を実現しています。そのため色褪せしにくいことも特徴です。
また色褪せがしにくく、汚れがついてしまっても雨などで汚れが落ちやすい特徴を持っています。OK-DEPOTの調査によると、スーパームキコートの20~30年後の光沢保持率は80%以上となっています。
燃えにくい
スーパームキコートは炭化しにくく、燃えにくいというのも特徴です。
冬の乾燥する時期、何かの拍子で引火してしまった場合など、火事における不安も抑えられます。ただし、一切燃えないというわけではないことに注意してください。
スーパームキコートの価格相場はどのくらい?
使用塗料 | スーパームキコート | 一般塗料 |
---|---|---|
工事内容 | 下塗り、上塗りの他に足場代、洗浄、養生、コーキング、付帯工事、防水工事などを含める |
一世帯を平均3人とした場合、戸建てはおよそ30坪が平均値となります。この条件を元にすると、一般の外壁塗装の相場は30坪で、60万~90万程度。
スーパームキコートで外壁塗装をした場合の費用は100万~130万程度が相場となります。
割高となりますが、上述した通り、スーパームキコートは耐候年数が長いため、長期間塗り替えを行う必要がありません。塗り替え時を含めると、外壁塗装にかかる金額をかなり抑えることができます。
スーパームキコートのデメリット・注意点
無機塗料と有機塗料を掛け合わせたハイブリッド塗料で、たくさんのメリットがあるスーパームキコートですが、デメリットも存在します。それは「初期投資がかかる」「10年以内での塗り替えが難しい」ことです。以下では具体的にスーパームキコートのデメリットについてご紹介します。
初期投資がかかる
相場価格で説明した通り、スーパームキコートは通常の一般塗料と比べても費用は割高になります。つまり、外壁塗装にかかる費用もそれだけ高額なものになります。
スーパームキコートは耐候年数が長いため、外壁塗装の回数を減らせるというメリットがありますが、直近で外壁塗装に対してあまりお金を掛けられない状況の方にはおすすめできません。
10年以内での塗り替えが難しい
メリットでもご説明の通りに耐用年数が20年~30年と長いことから、スーパームキコートは10年など短期間での塗り替えには適していません。
耐候性能が残っている状態では剥がれにくくなっており、他メーカーの塗料を塗った際にうまく塗れなくなってしまう可能性があります。
そのため、外壁の色も含めて塗り直したい場合は、スーパームキコートの性能が劣化するのを待たなければなりません。チョーキングやひび割れが外壁に確認できた場合を塗り替えのタイミングにしましょう。
スーパームキコートで塗装を行ってもらう前の注意点
様々な魅力があるスーパームキコートですが、実際に施工を行ってもらう前や業者との相談の際に注意しておきたい点があります。以下ではスーパームキコートで塗装を行ってもらう前の注意点を具体的に解説します。
退色を遅らせたい場合は淡い系統の色を選ぶ
スーパームキコートに限らず、塗料には光沢とは別に色味の概念があります。艶感と違い、色味は色の選択によって劣化のスピードが異なるので注意しましょう。
特に濃い色や鮮やかな色は、環境によって退色するスピードが早くなるケースがあります。この点、ホワイト系や淡い色を選ぶと、色落ちもそれだけ遅くなります。スーパームキコートの色見本などで配色を検討する際は参考にしてください。
業者選び
スーパームキコートはJackのオリジナル塗料として、全国のJackの施工認定店のみが取り扱うことができます。
こちらもスーパームキコートに限らず、塗料全般に言えることですが、塗料の扱いに慣れていない、もしくは業者の技術レベルが低い場合はスーパームキコート本来の性能を発揮できません。
そのため、見積もりを取った段階で、どれくらいの施工実績があるのか、実際にスーパームキコートで施工した実績や例などを見せてもらい、適切な業者選びを行うようにしましょう。
スーパームキコートは超耐久!長いスパンで多くのメリットがある
スーパームキコートは、無機塗料と有機塗料の性能をあわせ持った次世代の塗料です。耐候年数が長いことに加え、ひび割れや汚れにも強く、ニオイが気にならず、汚れにも強く、色褪せがしにくいなど、多くのメリットがあります。
ただし他の塗料と比べ、初期費用が高くなる点や10年以内の塗り替えが難しい点には注意が必要です。外壁塗料の中に、ぜひスーパームキコートも選択肢の1つに加えてみると、塗り替えの時期やコストなど、選定の幅が広がるでしょう。
今後の外壁塗装をご検討の方は、一度、外壁のプロに相談してみるのがおすすめです。「ヌリカエ」は簡単な申し込みだけで、施工業者を探すことができ、納得のいくまで比較検討することが可能です。
こちらの記事をふまえたうえで、外壁塗装の塗料の基礎知識から知りたい方は、下記の記事もご覧ください。


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