- 外壁塗装の工事が始まったあと、思いもよらない困り事が起こってしまった…
- リフォーム工事には詐欺やトラブルが多いと聞いて、不安になった…
お住まいの初めての塗装リフォームをしているときに、業者やご近所とさまざまなやりとりをしていると思います。
しかし、しょせんは人間同士のやりとり。
思うようにいかずトラブルに発展してしまい、今まさに大きな不安の中にいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事を書いているわたくしは、リフォーム情報の総合サイト「ヌリカエ」の業務で、多くの事例・業者・資料に日々触れ、最新の情報を日々キャッチしています。
この記事も、一度公開した日のままではなく、新しい有益な情報に出会い次第、日々更新されています。きっとお役立ていただけるはずです。
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本記事では「外壁塗装のトラブルの解決と予防」というテーマで、わたしが実際に見聞きしたなかで「これはうまく解決したな!」と思った方法を紹介していきたいと思います。
この記事を読めば、起きてしまったトラブルを『早急に』『あなたに有利な条件で』解決するための方法を知ることができますよ。
それでは、早速はじめていきましょう。
「工事の契約前後」に起こるトラブルと解決・予防方法
セールスで契約してしまった工事を取り消したい
突然やってきた訪問販売員に、「今すぐ工事しないと大変なことになる」「今日契約すれば安くできる」などと急かされ、通常よりも高額な塗装工事を契約して後悔する例が、あとをたちません。
こうした悪徳な訪問販売についての相談は、多く国民生活センターに寄せられています。
訪問販売のすべてが悪いわけではないですが、不安を煽るような文句や、お得感を押し出してくるセールストークにはすぐに乗らないようにしましょう。
解決方法
- 契約から8日以内なら、クーリングオフ制度を利用する
- 契約から9日以降過ぎてしまったら、業者に中止を申し出て、手配や着工を止めてもらう
予防方法
- 業者のセールストークを信用しない
- 1社だけで判断せず、3~4社程度から相見積もりをとってから契約する
工事がもうすぐ始まるのに、業者が契約書や工程表を持ってこない
特別な事情がない限り、残念ながら悪徳業者や手抜き業者の可能性が高いと思われます。
工事依頼を撤回し、クーリングオフの適用も検討しましょう。
実は、契約書面を交わしていない場合は、8日を過ぎていた場合でもクーリングオフがききます。 クーリングオフの有効期限は「法定の書面を受け取った日から数えて8日間以内」であるため、書面さえ交わしていなければずっと期限内であるからです。
クーリングオフを利用する場合、こちらは書面で業者に通知するのを忘れずに。
問い合わせ先は消費者センターです。
解決方法
- その業者へ依頼するのをやめる
- ごねる場合は、クーリングオフを申請する
予防方法
- なにかと口頭で済ませようとする業者へは依頼しない
- 初コンタクトから、やりとりを録音等で残しておく
塗装業者の駐車スペースがなく、工事が難しそう
塗装業者の車は、軽トラック~2トントラックの大きさの車種が多いようです。
駐車スペースや通行スペースが必要になることは、ある程度覚悟しなければなりません。
ご心配のような塗装作業自体が不可能ということは起きないでしょう。
しかし、車を遠くに停めざるをえない場合は運搬費などがかさみ、工事費用も増えてしまいます。
解決方法
- 自家用車を別の駐車場やコインパーキングに移す
- 運搬や誘導員の人件費増を覚悟する
- 近所とのトラブルに発展しないよう挨拶を済ませておく
予防方法
- 建物の立地は動かせないため、予防は難しい
「外壁塗装中」に起こるトラブルと解決・予防方法
近隣の家から、騒音に対して苦情が入った
騒音は足場の組み立てや、高圧洗浄などで発生する可能性があります。
また近隣トラブルは騒音以外にも「職人の態度が悪い」「業者の車が邪魔」などのクレームも想定されます。
通常は工事前に業者からも近隣の住宅などへ挨拶や工事の案内が行くものですが、やはり礼儀や近所付き合いも考えると依頼主自身も事前に挨拶に行くのが望ましいでしょう。
もしも工事の苦情が原因で近隣トラブルがもつれてしまうと、最悪の場合は弁護士に相談などといった大ごとになりかねません。
解決方法
- あなた自身がお詫びに行く。訪問がはばかられる場合、お詫びの電話をする
予防方法
- 工事開始に挨拶を済ませておく
- 挨拶時に、工事の音やニオイの出る期間を説明しておく
隣家から、塗料の飛び散りについて苦情が入った
業者のミスで近隣の住民に被害が出てしまった場合は、しっかり業者に責任を取ってもらうようにしましょう。塗装業者も通常、万が一の事故に備えて損害保険に加入しています。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
⇒外壁・屋根塗装で保険を受け取る方法とは?種類・補償適用の注意点解決方法
- 早めにあなた自身がお詫びに行く。補償は業者が入っている保険から行われるのが通常。
予防方法
- 業者に、注意を払うよう日頃から伝えておく
- 大切なもの、貴重なものは事前にお願いして移動してもらう
自宅の車や植木を汚された・壊された
業者のミスで工事範囲外の建物や家財に汚損が起きた場合は、業者に清掃や弁償をしてもらいましょう。
塗装業者も、万が一の事故に備えて損害保険に加入しているので、さほど心配はありません。
業者にも悪気はない場合がほとんどですので、まずは怒りをおさえてやんわりと指摘しましょう。
また、指摘する前に証拠を保全しておくと安心です。
解決方法
- 汚損・破損を写真に残しておく。角度を変えて、複数枚がよい
- 汚損・破損があったことを、まずはやんわりと業者に指摘する
予防方法
- 動かせるものは、汚されない場所に移動しておく
- 着工前に業者に念を押す、大事な物が置いてあることを伝える
中塗りと上塗りが同じ日に済んでしまった
手抜き工事である可能性が多いパターンです。
実際には、一度しか塗っていないことが考えられます。
塗料の乾燥には、短い場合でも3~5時間、条件が重なると16時間程度必要です。
そのため、同じ日に2工程ぶんの塗装が済むことは考えにくいのです。
塗り回数をごまかされないためには、中塗りと上塗りの色を変えてもらうことなどが有効です。
手抜きが起こるそもそもの原因は、安すぎる金額での工事を契約することにあります。
その工事を引き受けた下請け・孫請け業者が、利益を確保しようと手抜きをする傾向にあります。
解決方法
- 塗料名で検索し、メーカーカタログに記載されている乾燥時間を確認
- 乾燥時間が守られていなければ、現場の職人ではなく、契約を交わした業者に問い合わせる
予防方法
- 中塗りと上塗りで塗料の色を変えてもらう
- 塗装工程ごとに記録写真を提出してもらう
- 相場より安すぎる業者、大幅値引きをうたう業者とは契約しない
工事費用の追加・上乗せを要求された
契約通りの工事をしてもらう場合は、契約時の約束以上のお金を支払う必要はありません。
毅然と対応しましょう。
対応に困るようであれば、国民生活センターや「住まいるダイヤル」への相談するのがオススメです。
また、雨漏りの修理などで、想定していた以上の劣化が見つかり、追加工事を行う必要が出た場合もあります。
その場合は、説明に納得できるか判断したうえで、追加工事分についても別途見積もり・契約を忘れずに交わしましょう。
解決方法
- 契約どおりの工事であれば、業者側の見積もりミス。応じる必要はない
- 「国民生活センター」「住まいるダイヤル」へ相談する
予防方法
- 雨漏り修理などの場合、追加工事が発生する可能性をよく尋ねておく
- 追加工事分も見積もり書と契約書をしっかり交わす
前金の支払をしたのに業者が倒産した・逃げてしまった
基本的に前払いを要求する業者は資金繰りがうまくいっていない可能性も高く、信頼性にも欠けると言えます。
解決方法
- 消費者センターに連絡のうえ、近隣の事例をたずねる
- 民事や、詐欺での刑事訴訟も検討
予防方法
- 施工費用の支払いタイミングを業者に事前に尋ねる
- 全てを前金払いで要求する業者とは契約しないく
- 業者名でネット検索し、創業してからの年数や評判を調べておく
「外壁塗装の後」に起こるトラブルと解決・予防方法
外壁の仕上がりがイメージと違う、気に入らない
思い描いていたイメージの色と施工後の仕上がりが違って「あれ?」となるケースが多いようです。
こういったことが起こる原因として、色見本で見たときの印象と、太陽光の下で建物に塗った状態の印象が異なることが挙げられます。
しかし施工が終わってしまうと、使用塗料の色を間違えたなど業者側に明らかなミスがない限り、無料でやり直してもらうのは難しいです。
「なんだか思っていた感じと違う」と感じたら施工途中でも早めに業者に相談してみましょう。
解決方法
- 上塗りを開始した直後に色味の確認をする(要、業者との打ち合わせ)
- 追加料金の交渉をし、塗り直しをしてもらう
予防方法
- カラーシミュレーションだけでなく、実物の素材サンプルを確認する
- 室内ではなく、晴天の屋外できちんとサンプルを見る
数ヶ月から数年で、塗料が剥がれてしまった
工事後すぐに塗膜が剥がれてしまったり、色褪せしてしまったり、浮いてきてしまったりしたら、業者の施工ミスや手抜き工事をされた可能性が高いです。
また、もし台風などの自然災害が原因であれば、火災保険で補償される場合もあります。
解決方法
- 工事の見積もり書や契約書を確認。保証期間内かどうかを確認し、業者にやり直しを求める
予防方法
- 保証期間を明記していない業者とは契約しない
- 「オリジナル塗料」の提案にも気をつける
保証を受けたくても、業者と連絡がつかない・倒産していた
通常、業者が倒産してしまった場合などは、保証もなかったことになってしまいますが、工事前に業者に依頼して「リフォーム瑕疵保険」に入っていれば、公的な機関に補償してもらうことができます。
不安な方は、工事前に加入を検討しましょう。
解決方法
- 住宅リフォーム事業者団体による「リフォーム瑕疵保証」を利用する
予防方法
- 工事契約の際に、リフォーム瑕疵保険に加入するよう業者に依頼する
意図していなかった部分まで塗装されてしまった
塗装予定箇所は、見積もりや工程表にあらわれているはずなので、このトラブルは施主側の見落としや思い込みである場合がほとんどです。
万一、雨樋や軒先、サッシなどの金属部、エアコンの化粧カバーなどが意図せず塗られてしまったときは、工程表や仕上がりイメージの書面を確認しましょう。
塗装箇所として明記されていなければ、業者側の過失でやり直しをしてもらえます。
これを防ぐためには、着工前に「色が変わる場所をすべて教えてほしい」と説明を依頼し、その説明自体も録音しておきましょう。
塗装業者は、指示しない限りは配管なども塗装してしまうことが少なくないようです。
理由は、塗料が飛ばないようマスキングをする手間がかかるからです。覚えておきましょう。
解決方法
- 工程表や完成イメージの書面を確認し、塗装予定箇所として明示されているか確認する
- 明示されていなかった場合は、業者にその旨を説明し、やりなおしを要望する
予防方法
- 口頭でも塗装予定箇所の説明を求める。その説明を録音しておく
「自社のオリジナル塗料」が、実際はメーカー製の塗料を薄めたものだった
施工業者が「オリジナル塗料だから」と高品質を謳って相場より料金をかなり高くしたり、逆に安い見積もりを出して粗悪な塗料を使ったりといった事例があります。
オリジナル塗料を使用する場合は、工事の途中でも契約した通りの塗料を使っているか、指示通りの工事をしているか、確認が必要です。
解決方法
- 保証期間を確認する。期間内に施工不良が出た場合にはやり直しをしてもらう。
予防方法
- 実態のわからない「オリジナル塗料」を信用しない、契約しない
- 見積もり書に記載されている塗料名をネットで検索し、機能や評判を調べる
- 見積もり書に、塗料名を具体的に記載しない業者は信用しない
見積もり書と違う金額を請求された
施工後にも、追加工事などを理由に、見積書とは違う金額を請求されるケースがあります。
解決方法は、工事中に上乗せを要求された場合と同様です。
解決方法
- 納得できない場合、その場では応じず「消費者センターに相談して対応する」と業者に告げる
- 弁護士などの介入を受ける
予防方法
- 言った・言わないを防ぐため、やりとりは録音・記録しておく
- 追加工事が発生する場合、見積もり書や契約書を別途交わす。事前にその約束を書面に残しておく。
トラブルが起きたときの5つの相談先
前章までは、具体的なパターンを用いて、予防策や解決策をご紹介してきました。
ではもし上記以外のトラブルが発生したら、どこに相談すればいいのでしょうか。この章では、トラブルの内容によるそれぞれの相談先を解説します!

1. 塗装業者
外壁塗装になんらかの不具合があった場合は、まずは施工業者に相談しましょう。
不具合の要因が業者のミスだった場合は、無償でやり直してもらえるケースもありますが、業者の保証には条件もあります。契約する前にしっかり確認しましょう!
詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください!
⇒外壁塗装の保証はいつまで受けられる?適用条件と申請方法を徹底解説2. 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
手抜き工事をされた場合や、不当に高額な請求をされた場合など、業者に関するトラブルが発生した場合は「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「国民生活センター」に相談しましょう。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」は、建築士や弁護士が在籍しており、リフォームに関する専門的な知識を持った人に相談に乗ってもらうことができます。
3. 国民生活センター
「国民生活センター」は、リフォームに関するスペシャリストが相談に乗ってくれるわけではありませんが、「リフォーム訪問販売」など多数相談が寄せられている案件に関しては対処法をアドバイスしてくれるでしょう。
明らかな詐欺などの場合はこちらに相談しましょう。
4. 保険会社
工事後しばらくたった後、外壁塗装に問題が発生した場合、業者の保証期間内であれば無償で補修してもらえることが多いですが、万が一、施工業者が倒産してしまった場合はその保証も無効になってしまいます。
そのようなリスクにも万全に備えたいという方は、塗装工事を行う際に前もって「リフォーム瑕疵(かし)保険」に加入すると良いでしょう。リフォーム瑕疵保険に加入していれば、倒産した業者に代わって補修工事の代金を補ってもらうことができます。
5. 弁護士
専門機関に相談してもなかなか解決してもらえない場合などは、弁護士に相談してもよいでしょう。
ただし、弁護士への相談は有償なのが一般的なので、各相談窓口へ連絡した後の最終手段と考えましょう。
外壁塗装のトラブルは年間7,000件近く発生
外壁塗装に関するトラブルは、現在も少なくありません。
公益財団法人住宅リフォーム・住宅紛争処理支援センターには、リフォームに関する相談が年間 6,818件(2017年度)寄せられ、そのうち約20%が「外壁や基礎のひび割れ」、約10%が「外壁や内装などのはがれ」という内訳でした。
他にも国民生活センターには「悪質な塗装業者」に関する相談や「リフォーム訪問販売」に関する相談も寄せられています。
金額も安くない塗装工事。トラブルはなるべく避けたいですし、もし万が一トラブルに遭ってしまっても、スムーズに解決したいですよね。
この記事では、外壁塗装にまつわる様々なトラブルの事例と、その対応策・相談先についてご紹介します。
塗装のやり直しや詐欺について不安な方はこちらの記事も参考にしてください。
>> 「塗装のやり直しの防ぎ方」について詳しく知りたい方はこちらトラブルを予防するための6つの心がけ
トラブルに遭わないために、どの段階でも共通して役立つ準備や対策を下記にまとめました。

6つのポイントに共通するのは、「お金の約束や受け渡しを、書面や録音に残すこと・即決しないこと」です。
この1点だけでも覚えていただければ、トラブルはかなり防げるでしょう。
記事のおさらい
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
外壁塗装中、近所とトラブルになってしまったら?
早めにあなた自身がお詫びに行きましょう。塗料の飛び散りなどへの補償は、業者が入っている保険から行われるのが通常です。詳しく知りたい方は隣家から、塗料の飛び散りについて苦情が入ったをご覧ください。
外壁塗装後、すぐに塗装が剥がれてきてしまった
施工不良や手抜き工事が疑われます。見積もりや契約書から保証期間内かどうかを確認し、業者にやり直しを依頼してみましょう。詳しくは数ヶ月から数年で、塗料が剥がれてしまったをご覧ください。
外壁塗装でトラブルが起きてしまったときの相談先は?
施工に不具合があった場合は工事した「塗装業者」、手抜き工事や高額請求などは「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」、詐欺が歌われる場合は「国民生活センター」などが相談先となります。詳しくはトラブルが起きたときの5つの相談先をご覧下さい。
外壁塗装のトラブルを予防するためにできることは?
いくつかポイントがありますが、すべてに共通するのは「約束事やお金の受け渡しを書面や録音などの記録に残すこと」「即決しないこと」です。詳しくはトラブルを予防するための6つの心がけをご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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