外液に「ひび」や「色褪せ」が見られると、「修理が必要なのかな?」と不安になる人は少なくありません。
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外壁の劣化具合によっては、すぐに修繕が必要な場合もあります!
本記事では外壁劣化の見極め方から放置のリスク、適切な対処方法までを解説していきます。
なお、はじめての外壁塗装を検討されている方には、こちらの記事もおすすめです。
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監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
補修を必要とする外壁劣化の症状と判断基準
外壁劣化には主に以下のようなが挙げられます。
劣化症状 | 緊急度 | ポイント |
---|---|---|
外壁の変色![]() |
★☆☆ | すぐに補修を必要とするケースは少ないが、経過観察が必要 |
チョーキング![]() |
★★☆ | 防水性の低下の可能性があるため、補修を積極的に検討 |
ひび割れ![]() |
★★★ | 雨漏りの原因につながるため、早急な対応を推奨 |
塗膜の浮き・剥がれ![]() |
★★★ | 下地の劣化リスクが高いため、早急な対応を推奨 |
コーキングの割れ・剥がれ![]() |
★★★ | 雨水の侵入リスクがあるため、早急な対応を推奨 |
藻やコケの発生![]() |
★★☆ | 美観と衛生面から、補修を積極的に検討 |
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自宅の劣化症状の内容を確認し、すぐに対応が必要かどうかをまずは理解しましょう
外壁の変色

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外壁の色が薄くなった、黒ずんできたと感じたら、劣化の初期サインかもしれません。
外壁の変色は多くの場合は、緊急での補修は必要ないですが、変色が広範囲に及んでいたり、ほかの劣化症状と併発している場合は検討度が上がります。
劣化症状が併発していることで塗膜の性能が落ちている可能性があるためです。現在の変化の具合を写真に残しておき、定期観察をしていくとよいでしょう。チョーキング
チョーキングとは、外壁を手で触った際に白い粉が付く現象のことです。
チョーキングは塗料の顔料が露出している状態で、塗膜が劣化しているサインでもあります。チョーキングを放置しておくと防水性が低下し、外壁材に雨水が染み込みやすくなります。
雨水が内部に染み込みと建物内部の劣化が急速に進行してしまうため、早めの対応を検討するのがおすすめです。
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早めに対応することで外壁の寿命を守ることにもつながります。
ひび割れ

ひび割れは放置すると雨水の侵入を許し、構造材の腐食や雨漏りの原因になります。
とくに幅0.3mm以上の「構造クラック」は深刻で、早急な補修が必要です。一方で、髪の毛ほどの細さの「ヘアクラック」であれば、すぐの対応は不要なケースもあります。
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見た目では判断しにくいため、目視チェックに加えて業者による診断も受けると安心です。
塗装の浮き・剝がれ
外壁の塗膜が浮いたり剥がれたりしている場合、塗装の保護機能が失われている状態といえます。
塗装の浮き・剥がれを放置しておくと、外壁材に直接雨風が当たり、劣化はさらに加速していくため早急な対応が必要 です。
また、剥がれた部分から雨水が内部に侵入し、建物全体の耐久性に悪影響を及ぼすことにもつながることも懸念点です。
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初期の段階であれば再塗装のみで済むこともありますが、放置期間が長いと下地からの補修が必要になるケースもあります。
コーキングの割れ・剥がれ
外壁には、コーキングと呼ばれる建物の壁と壁の隙間を埋めるクッション材の役割をもつゴム製の樹脂を使用しています。
コーキングは経年劣化によって割れたり、剝がれたりすることも少なくなく、放置しておくとすき間から雨水が侵入し、内部の構造材にダメージを与えてしまいます。
ダメージが進行してしまうと、断熱性の低下やカビの発生などにつながるでしょう。
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部分的な割れであっても見逃さず、必要に応じてコーキングの「打ち替え」や「増し打ち」で補修を行うことが大切です。
藻やコケの発生
外壁に緑色や黒っぽい斑点が現れたら、藻やコケが繁殖しているサインになります。
主に、水分が乾燥しにくい日当たりの悪い北側の外壁や、風通しの悪い部分に多く見られる現象です。
藻やコケが発生している場合、外壁の防水性が低下していることを証明しているため、早急な対応が必要になります。さらに美観の面からも放置はおすすめできません。
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高圧洗浄やバイオ洗浄で除去し、塗料の見直しや防カビ機能の追加などを検討するとよいでしょう。
外壁劣化を放置すると発生するリスク
外壁劣化を放置してしまうと、以下のようなリスクが発生してしまいます。
建物の美観を損ねる
修理費が高くなる
人体に悪影響がある
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それぞれのリスクについて解説していきます。
家の寿命が縮む
外壁の劣化を放置すると、建物全体の寿命が縮む恐れがあります。
外壁は雨風や紫外線から建物を守る役割を果たしているためです。外壁が劣化することで、雨水が外壁材の裏側へと浸入し、柱や梁などの構造材を腐食させてしまいます。
メンテナンスを行わず放置した状態を続けてしまうと、本来であれば30〜40年保てるはずの住宅でも、20年台で大規模修繕や建て替えが必要になるリスクが発生します。
家の内部の劣化は目に見えにくく、気づいたときには手遅れというケースも少なくありません。
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家の寿命を長く保つには、外壁の健全性を定期的に確認し、初期段階で補修することが必要です。
建物の美観を損ねる
変色や黒ずみ、藻・コケの繁殖、塗膜の剥がれといった症状は、外観の清潔感を大きく損なってしまいます。
こうした症状が進行してしまうと、家全体の印象が一気に古びて見えてしまいます。
近隣住民からの印象が悪くなったり、管理が行き届いていないと見なされることも少なくありません。
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美観を保つことは、住まいの価値を守るうえで非常に大切なポイントです。
修理費が高くなる
外壁の劣化を放置すると、修理費用の増加のリスクもあります。
しかし、劣化が進み、下地の腐食や構造部の損傷が広がった場合、大規模な張り替えや改修工事が必要になってしまいます。
大規模な工事になると数十万円〜百万円単位の費用になってしまい、結果的にコストは上がってしまいます。-
早めの補修は、将来的な出費を抑える“先行投資”ともいえます。
人体に悪影響がある
外壁の劣化をそのままにしておくと、建物内部に湿気がこもりやすくなり、カビやダニの繁殖を招きやすい状態になります。
こうした状態のまま暮らしていると、喘息や気管支炎、アレルギーの発症、肌トラブルなど人体に悪影響が出やすくなります。
外壁の劣化の放置は中で暮らす自分たちの健康も損なう恐れもあるため、注意が必要です。-
小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、よりリスクが高まるため早めの対処を心掛けてください。
外壁劣化が起こる原因とは?
外壁が劣化してしまう原因はさまざまですが、主に劣化の原因は以下の通りです。。
雨や風によるもの
経年劣化によるもの
紫外線や熱によるもの

外壁の塗膜は太陽光の紫外線や熱にさらされると、塗膜が分解して劣化の進行が早まります。
紫外線が当たりやすい南面は、北面と比較して早期に劣化事象が現れる傾向があります。
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塗料の色褪せやチョーキング、コーキングの劣化などは、紫外線の影響によって、進行度合いが変わるため注意が必要です。
雨や風によるもの

外壁は、常に雨や風にさらされることでダメージを受けやすくなります。
サイディングやコンクリート・モルタルなどの外壁も塗膜で保護していても、酸性の雨によって少しづつ影響を受けることは避けられません。-
台風や強風によって雨が外壁に打ち付けられると、金属のトタンなどの外壁はさびなどの症状が発症しやすくなります。
経年劣化(耐用年数)によるもの
外壁が耐用年数を過ぎることで、ひび割れ・チョーキング現象などの症状があらわれてきます。
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経年劣化は避けられない症状なので、適宜対応していくことが大切です。
塗料の耐用年数による劣化
塗料の種類と耐用年数はそれぞれ異なります。
また、以下の数字は各メーカーの材料の配合比率によりバラバラなことがあるため、ご自身の使用する塗料メーカなどによって多少の違いが生じてしまいます。
もし今後、メーカーに問い合わせをしたい場合は、日本塗装工業会に各塗料メーカーのホームページに行けるリンク集がありますので、参考にしてみて下さい。
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塗料の耐久性の目安を覚えておくと、外壁の塗膜劣化のタイミングも、計りやすくなります。
建物の耐用年数による劣化
建物の耐用年数は以下の表の通りです。なおこの数字は国税庁が発表しているものになるため、信用性が高いものになります。
外壁材 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
木骨モルタル | 20年 |
鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート | 47年 |
レンガ造・石造・ブロック造 | 38年 |
金属造:4mm以上 | 38年 |
金属造:3㎜以上・4㎜以下 | 30年 |
金属造:3㎜以下 | 22年 |
ご自身の家の造り方で耐久力が変わりますので、一度家を建てた工務店や建設会社に確認してみることをおすすめします。
外壁劣化の解決方法
外壁劣化の解決方法としては、以下の3つが挙げられます。
高圧洗浄・バイオ洗浄
耐候性・機能性の高い塗料を選ぶ
コーキングの打ち替え
コーキングは、外壁の目地やサッシ周りに用いられる柔軟な樹脂材で、雨水や隙間風の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
触ると硬くひび割れがある、剝離してすき間ができている、指で押すと弾力がないなどの症状がある場合は、打ち替えが必要です。-
部分的な補修が必要な場合もありますが、基本的には打ち替えでの対応を推奨しています。
高圧洗浄・バイオ洗浄
外壁表面に付着した汚れや藻・コケを除去するには、高圧洗浄またはバイオ洗浄が効果的です。
汚れをしっかり落とすことができ、塗料の密着性が高まるためです。それぞれの洗浄方法の違いは以下の通りです。
バイオ洗浄:専用洗剤を利用し、微生物やカビを分解できる。再発防止のために最適。
洗浄することで、美観を保つだけではなく、外壁の寿命を延ばすことにも貢献します。
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コケやカビが発生している場合は、バイオ洗浄を推奨しています。
耐候性・機能性の高い塗料を選ぶ
外壁の塗膜に劣化が起きてしまった場合は、外壁の塗膜をさらに保護する塗料を選ぶことが大切です。
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塗る前に塗料の中身を確認し、劣化がなるべく進行しないような塗料を検討していきましょう。
フッ素などの塗料を選ぶ
塗料の耐久性には差があり、アクリルとフッ素では、樹脂の分子レベルが変わってきます。
外壁の劣化は、紫外線の影響が高くなりますが、フッ素は紫外線よりも強い結合エネルギーを持っているため、紫外線への耐候性が高くなります。
弾性の塗料を選ぶ
弾性の塗料とは、伸びる性質を兼ね備えた塗料のことです。
ひび割れが起きやすいモルタル外壁などに使用すれば、塗料の伸縮性によってひびが付きにくくなります。
断熱塗料を選ぶ
断熱塗料とは太陽の光を反射しつつ、取り込んだ熱を逃がさないようにしてくれる効果をもつ塗料のことです。
静電気をため込みにくい性質ももつため、空気中の汚れをつきにくくする効果もあります。
外壁劣化を解決するためにかかる費用
外壁の劣化を解決させるためにかかる費用は、業者に外壁塗装と一緒に処理をしてもらうか、劣化の部分だけを対応してもらうかによって変わってきます。
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コーキングの打ち替えのみの費用、劣化個所の補修のみの費用、高圧洗浄のみの費用をそれぞれ解説していきます。
コーキングの打ち替えのみの費用
コーキング打ち替えのみの場合は、650円~1200円/mが相場となります。
さらに、既存のコーキングの撤去費用が別途1~3万円必要です。
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家全体の補修を行う場合は足場代が必要です。足場代を設置すると追加で12万~18万円程度を見込んでおきましょう。
劣化個所の補修のみの費用
劣化個所のみの補修の場合は、パテ埋め・コーキング・セメント補修などで対応することになります。
各種費用についてのおおよその金額は、一般的な30坪の家の面積で、以下の通りです。
ケレン作業 | 1㎡あたり500〜2000円 |
---|---|
コーキング補修(打ち替え) | 1mあたり650〜1,200円 1軒まるごと約234,000〜402,000円 |
セメント補修 | 1㎡あたり1,500〜2,500円 補修箇所や劣化の程度によりますが、1軒まるごと約10,000〜50,000円 |
パテ埋め | 通常は大工が建築時におこなうため建築費用に含まれている、塗装業者がおこなう場合は全体で、約10,000〜20,000円 |
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あくまでも目安になるため、正確な金額は必ず業者から見積もりを取るようにしてください。
高圧洗浄のみの費用
高圧洗浄のみの場合は、足場のありなしで変わってきます。目安としては、以下の通りです。
高圧洗浄の種類 | 水道代 | 足場の有無 | 単価 |
---|---|---|---|
通常の高圧洗(足場あり) | 多くて1日2000円 | 12~18万円 | 1㎡あたり100円~300円 |
通常の高圧洗(足場なし) | 多くて1日2000円 | – | 1㎡あたり450円~850円 |
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高圧洗浄になるのかバイオ洗浄になるのかは、事前に業者と相談したうえで決めてください。
劣化の診断はプロにお願いすべき!まずは専門の業者に相談しよう

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業者に依頼することで、劣化の深さや範囲、下地や構造体への影響までを詳細に確認してもらえます。
写真付きで診断結果を証明してもらえるか
無茶な営業や過剰な提案をしないか
必ず相見積もりをとって比較できるか
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ヌリカエでは外壁劣化の診断に利用できる業者を簡単に検索できます。相見積もりも可能なため、ぜひお気軽に利用してみてください。


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