外壁をガルバリウムにしようと考えてる方のなかには「家の外壁は本当にガルバリウムで良いのかな?」といった不安などがある方も多いかと思います。
そこで本記事では、外壁をガルバリウムにすると後悔しやすいケースや、外壁をガルバリウムにしたときに良くある後悔や体験談などについてまとめました。
ご自宅の外壁材にガルバリウムを検討される場合の参考になりましたら幸いです。
ガルバリウムについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください
外壁をガルバリウムにすると後悔しやすいケース
外壁をガルバリウムにすると後悔しやすいケースは、下記の3つにあてはまるときです。
- 家が沿岸地域にある場合
- 家が寒冷地にある場合
- 外壁周りで作業をすることが多い場合
各ケースについて詳しく解説します。
家が沿岸地域にある場合
家が沿岸地域にある場合、外壁は潮風の影響を強く受けます。潮風は塩分を含み湿っていることから、外壁の劣化が早まってしまう原因[の一つです。
ガルバリウム鋼板は錆びにくいというメリットがありますが、長期間潮風にさらされると錆びる可能性が高くなります。そのため、沿岸地域にあるご自宅の外壁にガルバリウムを検討されている場合、「外壁をガルバリウムにすれば錆びない」と信じ込んで施工してもらうと後悔するかもしれません。
あくまでも、”他の外壁材に比べてさびにくい” というのがガルバリウムです。この点を理解した上で外壁材を選べば、後悔せずに済むでしょう。
また、潮風の心配がない地域でも、ガルバリウムは100%錆びないということはありませんので注意してください。
家で楽器を演奏する場合
家で楽器を演奏する場合、特にピアノやスピーカーにつなげるエレキギターでは近所への騒音問題を心配される方も多いかと思います。
ガルバリウムは他の外壁に比べて建材が薄くて軽量なため、他の外壁材と比べて遮音性が低いです。施工時には断熱材などと組み合わせるため遮音性を高められますが、建材の性能や施工方法によっては音漏れが気になってしまうケースもあります。
ただし、近年は技術の向上により、断熱一体型のガルバリウムが一般的です。断熱一体型にすれば、遮音効果や断熱効果に対する心配はそれほど心配いりません。
しかし、断熱一体型のガルバリウムは通常と比べて10%ほど施工費用が高くなります。そのため、ご自宅の外壁をガルバリウムにする方で遮音性が不安な場合は事前に施工業者に相談しておきましょう。
外壁周りで作業をすることが多い場合
DIYの作業や子供と遊ぶ場合など、外壁の近くで何かしらの作業や動きがあることもあると思います。
ガルバリウムは薄くて軽量なことから、少しの衝撃でも凹んでしまう可能性が高いです。例えば、バケツやボールが当たっただけでも場合によっては一部分が凹なだり傷になってしまうケースが多くあります。「思ったより強度が低かった」といった後悔はよくあるため、外壁に衝撃に対する強さや傷のつきにくさなどを求めている方は慎重に検討しましょう。
外壁をガルバリウムにしたときによくある後悔
外壁をガルバリウムにしたときによくある後悔は、下記の3つです。
- 表面にサビが発生してしまった
- 少しの衝撃で傷や凹みができてしまった
- 外観がダサいと感じる
- 遮音性が低かった
各ケースについて詳しく解説します。
表面にサビが発生してしまった
ガルバリウムの大きな特徴として「錆に強い」というものがあります。実際に他の外壁材に比べて錆に対する抵抗性が高いのは事実ですが、先述した通り100%錆びないということはありません。
そのため「錆びないからガルバリウムにしよう」といった流れで選ぶと後悔のもとになってしまいます。ガルバリウムを選ぶときには、あくまでも、”他の外壁材に比べてさびにくい” と理解しておくにとどめるようにしましょう。
特に、沿岸地域やシーズンによって曇りや雨が多い地域などは錆びの発生しやすい環境です。このような地域の場合は、外壁がガルバリウムであっても比較的早めに錆が発生する可能性もあります。
少しの衝撃で傷や凹みができてしまった
ガルバリウムは、厚さが約0.4mmと非常に薄い外壁材です。そのため、衝撃に弱めであるというデメリットがあります。
「ガルバリウム鋼板」という名前から強度が高そうなイメージを抱かれる方も多くいますが、実際はむしろ凹みやすい外壁材です。通常なら問題ない程度の衝撃でも、ガルバリウムの場合は凹みや傷ができるケースがあります。
色によっては表面にできた傷が目立つ可能性もあるので、ガルバリウムを選ぶ場合は頑丈さについて過度に期待しない方がよいでしょう。
外観がダサいと感じる
ガルバリウムはデザイン性が高いことも人気である理由の一つです。
しかし、見る人や仕上がりによっては「思ったよりもスタイリッシュじゃない」、「倉庫感が出てしまった」といった後悔がよくあります。ガルバリウムという建材そのものに対するイメージは人により異なるため、一概に「ガルバリウム = ダサい」ということはありません。
悩んだ末に選んだガルバリウムの外壁でも、見た目が気に入らなければ後悔する原因になってしまいます。
一口にガルバリウムといっても様々なデザインや施工パターンがありますので、ご自宅をどのような外観や印象にしたいのかを明確にしておくことが大切です。
▼外壁のデザインで迷われている方は、以下の記事も参考にしてください。
>> 外壁のおしゃれなデザイン事例50選!個性・高級感あふれる写真いっぱい
遮音性が低かった
ガルバリウムは、その薄さから遮音性に乏しいというデメリットもあります。
ご自宅で楽器をされる方や車や電車の通りが多いエリアの場合、ガルバリウにすると音が気になる可能性があるので注意してください。
先述の通り遮音性や断熱性の問題を解決した「断熱一体型のガルバリウム」が一般的になっていますが、通常のガルバリウムと比較して施工価格が10%ほど高くなります。
費用によっては通常のガルバリウムでの施工となり、音のトラブルで後悔することになってしまうケースもあるでしょう。
【体験談】外壁をガルバリウムにした人の後悔事例
ここでは、実際に自宅の外壁をガルバリウムにして後悔した人の事例を2つご紹介します。
錆が発生して後悔している人の事例
Aさんは、家の雰囲気に合うことや錆にくく長持ちするということで外壁をガルバリウムにしたところ、後悔したと感じている方の一人です。
ガルバリウムにしてから数年後、表面に赤や茶色の錆が浮き出てきてしまったといいます。確認のためハウスメーカーに点検してもらいましたが、やはり錆びであったようです。Aさんの家は海からほど近い場所ということもあり、錆が発生しやすい環境であったとも言えます。
ガルバリウムでも、環境によっては施工から10年経たずに錆びる可能性は十分にあるという点に注意してください。
剥がれや傷の目立ちで後悔している人の事例
Bさんは、耐震性の高さを決め手にマイホームの外壁をガルバリウムにしたところ、後悔したと感じてる方の一人です。
Bさん宅のガルバリウム外壁はダーク系の色ということもあり、雨や泥などの汚れが目立ってしまうといいます。ガルバリウムの外壁は水で洗い流すことで簡単に掃除できますが、色や素材によっては汚れが目立ちやすいため注意が必要です。
また、施工前後で着いたと思われる細かい傷もあり、これも外壁の色と相まって目立ってしまっているといいます。外壁の施工にあたり細かい傷がついてしまうケースはありますが、そのほとんどは目立たず問題のないものです。
しかし、ガルバリウムの場合は表面に傷ができると塗装面が剥げてしまい、そこから錆が一気に広がってしまう可能性もゼロではありません。
ガルバリウム外壁で後悔しないためには?
ガルバリウムは耐久性が高くスタイリッシュに見えることから、ご自宅の外壁材として考えている方も多いかと思います。
しかし、これまでご紹介したように一見万能そうにみえるガルバリウムでも、デメリットや後悔した事例は多いです。
そこで、ここでは外壁をガルバリウムにするにあたり、後悔しないための3つのポイントについて詳しく解説します。
- 業者のセールストークを鵜呑みにしない
- ガルバリウムの特性を理解しておく
- メンテナンスは欠かさず行う
業者のセールストークを鵜呑みにしない
外壁をガルバリウムにしたことによる後悔の原因として非常に多いのは、錆や強度に対する期待値が高すぎることによるギャップです。
特に、外壁について業者と相談する際は、ガルバリウムのセールストークを鵜呑みにしないことが大切です。ガルバリウムの大きなセールスポイントとして「合金のため錆びにくい」「軽量のため耐震性が高い」という2点があります。
しかし、これまでご紹介したように「ガルバリウムだから絶対に錆びない」ということありません。また、軽量であるということは他の外壁材に比べて衝撃に弱いということになります。
ガルバリウムのメリットを強調されることで、デメリットやリスクに対して真剣に考えずに施工を決めるのは危険です。ご自宅の周辺環境や仕上がりの希望などから、フラットな意見をくれる業者かどうかを見極めることが重要となります。
ガルバリウムの特性を理解しておく
ガルバリウムの特性について理解しておけば、本当にご自宅の環境にベストな外壁材か、後悔する可能性は少ないかを判断しやすくなります。
「環境によってはすぐに錆びてしまう可能性もある」、「少しの衝撃でも凹む可能性がある」といった点を事前に知っておくことで、施工後に後悔する可能性を各段に減らすことができるでしょう。
前提知識のないままだと、業者との相談のなかで得た情報のみで判断することになります。外壁は家を守る役割があるため、外壁材を選ぶ際はゆっくりと時間をかけて判断するようにしましょう。
メンテナンスは欠かさず行う
ガルバリウムはメンテナンス周期が遅くても良いという特徴がありますが、掃除や補修は全くしなくてもよいというわけではありません。
常に紫外線が雨風にさらされる外壁は、どんなに耐久性が高くても年月とともに汚れや傷ができてしまいます。そのため、耐久性に優れたガルバリウムの外壁でも定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスといって再塗装のような大がかりな作業は必要ありません。耐用年数が来るまでは、1年に1回ほどホースを使って水をかける、汚れが気になる箇所は拭き取るといったお手入れで十分です。
まとめ
ガルバリウムは人気な外壁の一つですが、施工して後悔してしまったというケースも多いです。
外壁をガルバリウムにして後悔する要因としては「錆びにくい」や「耐久性が高い」といったメリットに対する期待値が高すぎるという点があります。
見た目だけではなく、ご自宅を守る役割もある外壁選びは、ゆっくりと時間をかけて判断することが大切です。