家を建ててから10年ほど経つと、外壁のヒビ割れが気になることもあるでしょう。
そんなに大きいヒビ割れでなければ、「大丈夫だろう」と思ってしまいがちですよね。でも、ヒビ割れを長期間放置すると、外壁から雨漏りしたり、建物の耐久性が落ちたりすることも。
大切なマイホームを守るためには、外壁防水について真剣に検討する必要があります!
本記事では、外壁防水工事の必要性、工事の流れやポイント、費用の相場などをお伝えします。
「雨漏り工事の費用についても詳しく知りたい!」という方は下記記事がオススメです。
雨漏り工事の費用はいくら?業者選定のコツを徹底解説!
外壁防水はマイホームの寿命を延ばすためには欠かせない
「とりあえず屋根が防水なら大丈夫」と思っている方も多いと思います。しかし、外壁防水はあなたが大切なマイホームの寿命を少しでも延ばしたいなら欠かせない対策だといえます。
外壁防水はなぜ必要なのでしょうか?そして、対策を怠るとどうなるのでしょうか?
屋根からだけでなく、外壁からも雨漏りするって本当?
雨漏りといえば、屋根や天井からポタポタ、というイメージが強いのではないでしょうか。でも、実は外壁からの雨漏りも多いんです!
耐久性抜群のように思える外壁も、年数が経つと当然劣化します。
小さいものから大きいものまで、ヒビ割れが見られることも。たとえ小さいヒビでも、放置しておくと外壁内部の防水シートが雨水にさらされ続けて破損し、内部の構造材に雨水が染み込んで、腐らせてしまうことになるのです。
外壁のヒビ割れを放置するとどうなる?
外壁にヒビ割れがあると、雨漏りする・外観が悪くなる以外にも悪影響が出ます。もっとも避けたいのは、ヒビ割れから外壁材の中にまで雨水が入り、建物の耐久性を落としてしまうことです。
外壁材の中にまで雨水が浸透し、劣化してしまった場合、外壁材の交換・外壁内部の防水シートの貼り替えなどが必要になり、工事も大規模に!そうなると、かなりの時間・費用を費やすことになります。
外壁のもともとの防水機能は永続しない!
外壁にはもともと防水対策が施されていますが、残念ながらその効果は永遠に続くわけではありません。そのため、家を建ててから5~10年程度経過したら、外壁にも防水塗料を塗ったほうが安心なのです。
防水塗装は、小さなヒビ割れなら雨水が建物に入るのを防ぎ、建物の耐久性も維持してくれます。
一世一代の買い物である大切なマイホーム、できるだけ長く、快適に過ごしたいですよね。
そのためにも、ヒビ割れは放置せず、早めに対処することが大切です。
外壁防水の主な3つの工法と注意点
外壁防水工事には、主に弾性塗料というゴム系の素材で作られた塗料が使われます。弾性塗料は防水性能が高く、伸縮性に優れた塗膜を持ち、ヒビ割れに強いのが特長。
多少のヒビ割れなら、塗膜が伸びてカバーしてくれるというものです。
弾性塗料を使った工法にはどういったものがあるのか、3つの工法を簡単に知っておきましょう。
また、十分に効果が発揮されるために大切なこともお伝えします。
1:単層弾性塗装
一般的な戸建て住宅で行われることが多いのが、この単層弾性塗装です。外壁材と中・上塗りとの密着性を高めるシーラーで下塗りし、その後弾性塗料で中塗り・上塗りして仕上げる工法です。
できるだけ費用を抑えたい場合にはおすすめです。
ただ、この工法は弾性塗料を用いた工法の中でも手抜き工事が起きやすいという点に注意が必要です。
悪質な業者は、メーカーの推奨より多く水を加え、かさ増しして施工することも。弾性塗料を用いて外壁を二度塗りするには、少なくとも5缶以上必要となるので、作業時には要チェックです!
2:複層弾性塗装
防水性能がより高まるのが、この複層弾性塗装です。シーラーでの下塗り、弾性塗料を使った中塗り2回、好みの色の塗料を使った上塗り2回という、5度塗りで仕上げる工法です。
塗膜が厚くなるので防水性・耐久性も高まり、上塗りで使う塗料の色も自由に選べるのがメリット。
ただ、工程が多くなる分、費用も高くなります。一般的な戸建て住宅ではあまり行われませんが、予算にある程度余裕があり、できるだけ長持ちさせたいなら、この工法がおすすめです。
3:微弾性塗料塗装
弾性塗料を使った外壁防水工事の中で、最もリーズナブルなのが微弾性塗装です。微弾性フィラーを使った下塗りと上塗り2回で仕上げます。
*微弾性フィラー:外壁材と中・上塗りとの密着性を高める、接着剤の役割をするシーラーと、下地の凹凸を埋めて調整するフィラーの両方の性質を持った下塗りに使われる塗料
軽度のヒビ割れであれば微弾性フィラーが埋めてくれ、費用も抑えられます。
下塗りで防水対策を取っているので、中塗り・上塗りの塗料は自由に選べるのもメリット。
ただ、他の2つの工法と比較すると、弾力性は長持ちしません。
防水塗料の性能を十分に発揮させるには?
まず、基準塗布量を遵守することが大切です。塗膜の厚みが十分でないと、塗料が伸びずに切れてしまいます。
1㎡あたりどのくらいの量を塗布するのか、塗料メーカーが基準を定めているので、それを満たす必要があります。
いくら表面上きれいに仕上がっていても、基準が満たされていないと耐久性が十分でないこともあるので、見た目に騙されないよう注意が必要です。
もう一つ大切なのは、乾燥時間を遵守することです。塗料は空気中に溶剤が揮発(液体が気体になる)して、外壁を守る塗膜となります。十分に乾燥時間を設けないと、硬化不良を起こす可能性も。そのため、塗料メーカーは乾燥時間に関しても「工程間を○時間以上確保すること」というように定めているのです。
気になる外壁防水工事の費用相場は?
住宅リフォームなど、家に関する工事にはかなりの費用がかかるイメージが強いですよね。頻繁に行う工事ではないといっても、できるだけ費用は抑えたいものです。
外壁防水工事には、一体どれくらいの費用が必要になるのか、費用を抑える方法はあるのかをお伝えします。
また、「家のちょっとしたことならDIYでなんとかしている」という方もいることでしょう。
外壁防水工事もDIYで解決できるのか、その点についても解説します。
外壁防水工事、費用の相場はどれくらい?
弾性が高い防水塗料は、1缶で約5~7万円ほどかかります。もっともメジャーな塗料である微弾性塗料・シリコンが1万5,000~4万円程度ですから、それと比較しても2~3倍するということがわかります。
塗装面積や工法によっても変わりますが、弾性塗料で外壁を二度塗りするとすれば、5缶は必要になります。
そうすると、塗料だけでも約25~35万円かかるということになりますね。
工事には塗料以外に足場の設置費用、養生費、ゴミ処理などにもお金がかかります。
相場としては60~100万円程度考えておいたほうがいいでしょう。
外壁防水を安いだけでなく、高品質で仕上げてもらうには?
外壁防水工事をできるだけ安く、さらに高品質で仕上げてもらうには、複数の業者から同じ工事の見積もりをしてもらう「相見積もり」が欠かせません。これを利用すれば、相場の3割も安く仕上げてもらえることもあるんです!相見積もりは、3社程度にお願いして出してもらい、比較するといいでしょう。
見積もりを出してもらって、一番安いところを選べばいいかと言うと、そういうわけにもいきません。
工事後、10~15年はできるだけそのままの状態を維持させたいわけですから、「安かろう悪かろう」では困りますよね。
悪徳な業者を避けるためにも、一括見積もりサイトを利用した相見積もりを必ずするようにしましょう。
外壁防水工事、DIYで行うのはダメ?
実は外壁防水工事は、塗装のプロである塗装業者や工務店ですら対応していないこともあります。さらに、防水工事を行う業者も、工法によって細かく分かれていることもあるほど、専門的な技術が必要になる分野なのです。
そのため、残念ながらDIYでどうにかできるレベルとはいえません。
仮に自分でどうにかできたとしても、その後雨漏りなどの不具合が発生した場合、保証が受けられなくなります。このようなリスクもあるため、DIYで外壁防水工事を行うのはおすすめできません。
あなたの家はどう?外壁防水工事の必要性とタイミング
「見た目には問題なさそうだけど、本当に必要?」、「どの程度のヒビ割れで外壁防水工事をすべきなのかわからない」など、素人では見極めが難しいこともあるでしょう。あなたの家に外壁防水工事の必要性があるのかどうか、必要となるタイミングを見極める2つのポイントをお伝えします。
1:補修周期をチェックする
建物の寿命を延ばすためにも、外壁の防水工事は定期的に行う必要があります。工法や使用する塗料によっても耐用年数は異なりますが、目安としては10~15年を考えておくといいでしょう。
確かに、外壁防水工事はかなりの費用がかかります。
しかし、定期的にメンテナンスをしておけば、耐久性が維持でき、地震や大雨などで被害を受けるリスクは低くなります。安全面を考慮しても、外壁防水工事にかかるお金は惜しまないほうがいいといえるでしょう。
2:劣化状態をチェックする
先ほど補修周期の目安をお伝えしましたが、年数が経っていなくても、以下のような状態であれば、工事を検討することをおすすめします。・雨漏りがある
・雑草が生えている
・大きいヒビ割れが見られる
など
塗装の効果と必要性について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装はなぜ必要?効果・種類・費用や業者の選び方をやさしく解説」
まとめ
大切なマイホームでできるだけ長く快適に過ごすためには、定期的に外壁防水工事を行い、ヒビ割れなどの細かな部分をメンテナンスしていくことが必要となります。小さなヒビ割れであっても、放置しておけば住宅の内部構造にまで悪影響を及ぼす可能性さえあります。
耐久性が落ちれば自然災害などで大きなダメージを受ける可能性も高くなりますし、定期的な工事にかける手間や費用は惜しまないようにしましょう。
外壁防水工事は決して安くはないですが、一括見積もりサイトを利用して相見積もりをすれば、費用を抑えることはそう難しくありません。
優良な業者だけを集めた一括見積もりサイトであれば、悪徳業者に引っかかる心配もないので、外壁防水を検討する際には積極的に利用しましょう。


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