スレート屋根とは?メンテナンスのタイミングやアスベストとの関係などを紹介!

  • 【更新日】2025-04-18
スレート屋根

多くの住宅の屋根に使用されている「スレート屋根」ですが、詳しくはどのような特徴を持つ屋根材なのでしょうか。

また「そろそろスレート屋根のメンテナンスが必要?」「アスベストが含まれていると聞いたけど?」といったお悩みや不安のある方も多いかと思います。

そこで本記事では、スレート屋根の概要から耐用年数、メンテンナスのタイミングやアスベストが含まれているかの確認方法などについて詳しく解説していきます。

ぜひ、参考にしてみてください。

うちに合う屋根材はどれだろう?

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スレート屋根とはどんな屋根?

スレート屋根の例

スレート屋根とはセメントを主成分とした薄い板を加工した屋根材のことで、フラットな形状が特徴です。

1枚あたりタタミ1畳ほどの大きさ(幅91cm×高さ41.4cm×厚み5mm)で、1㎡あたりの重量は約20㎏と陶器瓦の半分ほどの重さです。設置する際は、屋根に敷き詰めたあとに釘や接着剤で固定して張っていきます。

「カラーベスト」「コロニアル」など、さまざまな呼ばれ方をしており、住宅以外でも工場や倉庫などにも、「波型スレート」と呼ばれる波型の形で分厚いスレートが用いられています。

なお、「コロニアル」とはスレート屋根の商品名の一つで、値段が安く全国に広く普及している屋根材です。

スレート屋根の構成

スレート屋根は「すき間」がある構造なのが特徴です。スレート屋根はすき間を作ることで、屋根の内部に雨水が入り込んだ場合に、入り込んだ雨水を排水する構造になっています。

そのためスレート屋根のすき間を誤って埋めてしまうと、かえって雨漏りを誘発する原因になります。

スレート屋根を構成する部材をすべて表すと、以下の表の通りです。

構成する部材 部材の耐用年数
本体(コロニアル、化粧スレート等)
防水シート(ルーフィング) 約10~20年
野地板 約30~40年
棟板金 約15~20年
ケラバ板金 約20~30年
軒先板金
破風板 約20~30年

スレート屋根の耐用年数は約30年が目安とされていますが、構成している部材はそれよりも早い耐用年数であることがほとんどです。

劣化症状が表れたら早急なメンテナンスはもちろんのこと、約5年ごとに定期的なメンテナンスを業者に依頼することで、安心して住み続けることが可能になります。

劣化による補修や修理のタイミング

スレート屋根の耐久年数は使用している商品や建物の環境によって異なりますが、15~40年程度になります。

たとえば「アスベスト」が含まれているスレート屋根は耐久性は高く、30~40年程が見込まれています。一方で「ノンアスベスト」のスレート屋根は、10年程度で劣化が生じているケースも少なくありません。

そのため約10年に一度は、最低でも業者にメンテンナスを依頼することがおすすめです。なお、雨漏りなどの深刻な症状が表れている場合には早急な依頼が必要になります。

定期的なメンテンナスを行うことで屋根の寿命は十分に延ばせます。詳細は「スレート屋根の補修方法・費用」で解説していますので、参考にしてください。

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スレート屋根の種類

スレート屋根の種類

出典(左):根本塗装店,出典(右):富士宮屋根工事店

スレート屋根の種類は、大きく分けると天然スレート化粧スレートに分けられます。

種類①天然スレート

天然スレートは、天然の石を使った屋根材のことです。

天然の石を加工して屋根材として使用するため、最高級な屋根材の1つとされており、日本をはじめヨーロッパの歴史的建造物で多く利用されています

天然スレートを利用した建造物の代表例として、東京駅の丸の内駅舎が挙げられます。東京駅は2012年に創建当時の姿で復元されましたが、その屋根には天然スレートが利用されているのです。

スレート屋根が利用されている東京駅丸の内駅舎
天然スレートが利用されている東京駅丸の内駅舎

天然スレートは高い耐久性を誇るため、長期間にわたって美しい外観を保つことも可能です。また、耐火性にも優れており、火災時の延焼リスクを低減できる魅力も兼ね備えています。

一方で天然スレートは高級な屋根材であるがために、一般家庭への普及は少なく、東京駅丸の内駅舎のような歴史的建造物に使用されています

種類②化粧スレート

化粧スレートとは、セメントに繊維素材を混ぜて成形された屋根材のことです。

瓦屋根の半分の重さで耐震性に優れているだけでなく、天然スレート屋根と比べて費用も安価なのが特徴です。

種類もコロニアルなどが有名な「平板スレート」や角ばり厚みがあることが特徴な「厚型スレート」、波型の形状が特徴の「波型スレート」など、さまざま展開されています。

カラーバリエーションが豊富にあるため、好きな色を展開しやすい反面、天然スレートと比較すると耐久性は低いため、定期的なメンテナンスが必要です。

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スレート屋根の耐用年数

スレート屋根の耐用年数について

スレート屋根の耐用年数は、製造された年代によって大きく異なります

大きく3つの世代に分かれており、それぞれの世代に応じた対応が必要です。

世代 製造時期 耐用年数 アスベスト有無
第一世代 ~1990年中頃まで 30~40年
第二世代 1990年中頃~2000年代中頃 15~25年 ×
第三世代 2000年代後半以降 30年 ×

スレート屋根(第一世代)

1990年代中頃まで製造された第一世代は、セメントにアスベストが含まれているのが特徴です。

アスベストを含むことで高い耐久性があり、耐用年数は30年以上を誇っています。

一方で2005年に社会問題となった「アスベストによる健康被害」の影響で、その後に製造されるスレート屋根はアスベストを含まない第二世代へと変化していきます。

アスベストは空気中に飛散しなければ害はないとされていますが、第一世代の屋根をリフォームする際にはアスベストへの対応も必要になるため、高額な費用がかかります。

第一世代の代表的な商品は以下の通りです。

商品 メーカー
アーバニー クボタ(現ケイミュー)
ニューコロニアル クボタ(現ケイミュー)
フルベスト 松下電工

スレート屋根(第二世代)

第二世代はアスベストの健康被害を受けて製造されたスレート屋根です。

アスベストを含めない「ノンアスベスト」が主流となっています。高い耐久性を誇ったアスベストを含めないため、耐久性が低く、15年程度でひび割れなどの劣化症状が発生することが少なくありません

2025年現在、第二世代の耐用年数を迎えた屋根も少なくなく、見直し時期を迎えている住宅が多くあります。

第二世代の代表的な商品は以下の通りです。

商品 メーカー
コロニアルNEO クボタ(現ケイミュー)
セイバリーNEO クボタ(現ケイミュー)
パミール ニチハ

スレート屋根(第三世代)

第三世代は現在発売されている世代で、耐久性が弱かった第二世代を改良したスレート屋根です。

具体的にはパルプ繊維を含めることで耐久性を向上させ、軽量で加工しやすいのが特徴です。

耐用年数は30年程度とされており、現在では新築の屋根材として広く活用されています。

第三世代の代表的な商品は以下の通りです。

商品 メーカー
コロニアルクァッド ケイミュー
コロニアルグラッサ ケイミュー
アルマ ニチハ

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スレート屋根でメンテナンスが必要な劣化症状

スレート屋根でメンテナンスが必要な劣化症状について

スレート屋根の劣化症状は「軽度(初期劣化)」「中度(部分劣化)」「重度(深刻な劣化)」に分けられます。

症状 推奨される対処法
軽度(初期劣化) 色褪せ、コケ・藻の発生、小さなヒビ(ヘアクラック) 防水塗装(再塗装)+洗浄(高圧洗浄+防水塗装)
中度(部分劣化) ひび割れ(貫通クラック)、棟板金の浮き・剥がれ、雨漏りの兆候 部分補修+シーリング補修+屋根塗装
重度(深刻な劣化) 屋根材の大規模な剥がれ、野地板の腐食、雨漏り発生 カバー工法または葺き替えリフォーム

スレート屋根の劣化の兆候

スレート屋根の劣化の兆候としては、以下のようなものが挙げられます。

劣化症状 症状 特徴 対処法
色褪せ スレート屋根の色褪せについて 屋根の色が薄くなり、光沢が失われる 塗装の剥がれが原因、再塗装を検討
ひび割れ スレート屋根のひび割れについて 細かいヒビが発生 防水効果低下、コーキング補修
コケ・藻の発生 スレート屋根のコケ・藻の発生について 屋根表面に緑色のコケや黒カビ 湿気による劣化、洗浄+防水塗装
剝がれ・浮き スレート屋根の剝がれや浮きについて 屋根材が浮いている、欠けている 飛散の危険、早めの業者点検が必要

上記のような劣化の兆候を確認した際は、メンテンナスや補修を検討してみてください。

スレート屋根の劣化を放置すると起こる問題

スレート屋根の劣化を放置してしまうと、以下のような大きな問題を引き起こしてしまいます。

問題 症状 対処法
雨漏り 雨水が侵入し、天井に壁やシミ 早期に業者へ依頼
野地板の腐食 雨水が侵入し、屋根を支える野地板が腐る 葺き替え工事
断熱性の低下 屋根の隙間から外気が張り込み、
夏は暑く・冬は寒い
断熱塗装や補修
カビ・害虫の発生 湿気がこもり、屋根裏にカビやコケが繁殖
木材が腐敗し、シロアリの繁殖
早期に業者へ依頼

スレート屋根が劣化する原因

屋根は外気の影響をダイレクトに受けるため、どうしても劣化していきます。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

◆スレート屋根が劣化する原因◆ 紫外線:直射日光による熱膨張などが繰り返されることで、塗膜が劣化し、防水機能の低下につながる
雨水:長期間の雨にあたると、塗装が劣化してしまい、雨水が吸収しやすくなってしまう
積雪:雪の重みによる屋根材の歪みや、雪が解けた際の水分が屋根材の隙間に入り込み、ひび割れにつながる
強風:風圧によるスレート材の浮きや剥がれが発生する

上記のような原因が考えられるため、定期的な確認を通して劣化症状が見られる場合は早急な対応が必要です。

早急な対応を施すことで、スレート屋根の耐久性を維持し、寿命を延ばすことにつながります

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スレート屋根の補修方法・費用

スレート屋根の3つの修理・メンテナンスについて

スレート屋根のメンテナンスや修理は、それぞれ以下の時期を目安に行うことがおすすめです。

「屋根のヒビ割れの点検・補修」を5年おきに、「屋根棟の交換」を15年目に、「屋根の葺き替え」を30年目に、それぞれ行うのがオススメです。
◆スレート屋根のメンテナンス・修理目安◆ 定期(年1~2回):掃除、劣化症状の確認
5年おき:屋根のヒビ割れの点検・補修
築15年目:屋根棟の交換
築30年目:屋根の葺き替え

スレート屋根の家に安心して住み続けながら、維持費用も最低限にするには、基本的に上記の4つを意識することが大切です。

定期(年1~2回):掃除、劣化症状の確認

スレート屋根はコケや藻などが発生しやすいため、定期的な掃除や劣化症状の確認を行うことが必要です。

さらに落ち葉やゴミが溜まってしまうと、雨水がスムーズに流れず、雨漏りの原因にもなってしまいます。

とくに台風の後などは、とくに溜まりやすいため念入りに確認しておくとよいでしょう。

屋根の上は滑りやすく危険なため、安全対策を徹底したうえで行うことが大切です。

新築から5年おき:屋根のヒビ割れの点検・補修

スレートに入ったひび割れの補修作業

画像出典:スレート瓦ひび割れ、割れの新しい補修方法(YouTube)

実はほとんどのスレートには、新築の時点からごく細かいヒビが入っています

スレートは割れやすく、打ち付ける時や工事で上を歩くときにどうしても微細なキズが入ってしまうためです。

そのごく細かいキズが、日光や風雨にさらされるうちに広がってくるのが、おおよそ5年目となります。

なのでスレートは、このタイミングで業者によるヒビ割れの点検・補修を受けて、雨漏りや屋根の剥がれなどを未然に防ぐのがオススメです。

修理内容は、ヒビが入っている部分の裏側に接着剤を注入する作業となり、費用は2~4万円です。

5年目時点では目立たなかったキズや、作業時にできた新たなヒビ割れがある可能性もあるため、以降も5年おきに同様の点検・補修を受け続けるのが理想になります。

築15年目:棟の交換

棟(むね)とは、屋根の頂上にある板金でできたの蓋のことです。

屋根の棟は、年数が経つうちに固定に使われているクギが弱くなり、台風の際に外れて飛んでしまうリスクが高まります。

そのため、予防のため築15年を目安に棟の交換を行うと安心です。

修理内容は、既存の棟板金とその下地の木材を取り外して、新しいものに交換する作業となり、費用は10~30万円です。

築30年目:葺き替え

スレート屋根は、築30年を過ぎる頃に耐久年数を終えます。そのためこのタイミングをもって、屋根の全交換工事である「葺き替え」(ふきかえ)が必要になります

葺き替えの作業とは、古いスレートを撤去し、下地の木材の補強や張り替えをしたあと、新しい防水シート(ルーフィング)と屋根材を張る工事です。

新しい屋根がすぐに吹き飛んではいけないので、葺き替え時には下地の木材の補強を必ず行う必要があります。

費用は140~200万円が目安ですが、屋根の広さや、新しい屋根に選ぶ素材で大きく変わります。

葺き替えの際は、スレートから別の屋根材に変えることもできるので、状況に合わせて検討するとよいでしょう。

スレート屋根の家に30年間住んだ場合の維持費用は?

スレート屋根の家に必要な「ヒビ点検・補修」「棟の交換」「葺き替え」の3つの修理を施しながら、30年間住み続けた場合の維持費用は以下の表の通りです。

210万円が目安となり、修理費用は相場のおよそ中間の金額がかかったものとしています。
築年数 修理内容 修理費用
5年目 ヒビ補修 2万円
10年目 ヒビ補修 2万円
15年目 棟交換+ヒビ補修 22万円
20年目 ヒビ補修 2万円
25年目 ヒビ補修 2万円
30年目 葺き替え 180万円
合計 210万円

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スレート屋根とアスベストの関係性

スレート屋根とアスベストの関係

スレート屋根には、法的規制のあるアスベスト(石綿)が使われているものがあります。

本章では、アスベスト入りのスレート屋根の見分け方および撤去にかかる追加費用、費用をかけずに済む方法を解説します。

「2005年以降に建てた家」ならアスベストは含まない

スレート屋根はもともとアスベスト入りのものが主流でしたが、肺線維症などのリスクが検証された結果、2004年の法規制により出荷が禁止されました。

そのため、スレート屋根を使用した家でも、着工が2005年以降であればアスベストが含まれていることはありません

反対に、着工が2004年以前でスレート屋根を使っていれば、アスベストが使用されているとみて間違いないと考えられます。

「アスベスト含有住宅の見分け方」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

アスベスト入りのスレート屋根だった場合、どうすればいい?

アスベスト入りのスレート屋根の家に住んでいても、屋根のリフォームや解体をして、繊維が飛散しない限り危険はないとされています厚生労働省ガイドラインによる)

つまり、屋根が大きく壊れたり傷んだりして葺き替えが必要になるまでは、特別な対処の必要はありません。

屋根の葺き替えが必要になった際には、2つの選択肢があります。

  1. 撤去費を払って葺き替え工事
  2. 撤去費をおさえるため、バー工法

1. 撤去費を払って「葺き替え」

スレート屋根に含まれるアスベストの飛散対策のために、通常の葺き替え工事よりも1.2~1.3倍ほど費用が多くかかります。

金額にすると、25~40万円ほどの上乗せで、合計165~240万円ほどの工事費用となるでしょう。

同じ家に10年以上住み続ける予定の場合は、カバー工法よりも葺き替え工事をオススメします。

2.撤去費をおさえるため「カバー工法」

予算的にアスベストの撤去費用が許容できない場合は、今の屋根を解体せずに新しい屋根で覆う「カバー工法」が採られています。カバー工法の費用は80~120万円です。

しかし、雨漏りしたことのある家や、10年以上済む予定の家、のちのち屋根の増改築などの工事を予定している家ではカバー工法はあまりオススメできません。

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スレート屋根とガルバリウム鋼板(折板屋根)との違い

ガルバリウム鋼板とは
スレート屋根と比較される屋根材として「ガルバリウム鋼板」が挙げられます。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムや亜鉛を使って鉄を保護する構造をした金属鋼板です。

水捌けに優れており錆びにくく、高い耐久性を発揮できる素材であり、モダンな外観に活用できるなど、人気が高い屋根材になります。

スレート屋根とガルバリウム鋼板の主な違いは、以下の表の通りです。

項目 スレート屋根 ガルバリウム鋼板
素材 セメントと繊維を混ぜた薄い板 鉄板にアルミ・亜鉛・シリコンをコーティングした板
デザイン 少ない 多い
耐久性 10~35年 20~40年
価格(単価) 4,200円/㎡~ 6,820円/㎡~
価格面を比較するとガルバリウム鋼板はスレート屋根よりも高いですが、メンテナンス費用が抑えられるため、長期的なコストは節約できる可能性があります

折板屋根はシンプルな施工方法のため、工期が短い点が特徴です。カバー工法にも多く利用されており、アスベストが含まれている屋根を利用している場合の改修にも適しています。

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スレート屋根のシェアは下がってる?

スレート屋根のシェアは下がってる?について

1990年代、スレート屋根はほかの屋根材と比較してもトップシェアを誇るほど人気の屋根材でした。

しかし、徐々にシェア率は下がってきており、住宅金融支援機構が2023年度(令和5年度)に発表した<「フラット35住宅仕様実態調査報告」によると、全国における屋根材の使用割合ではガルバリウム鋼板を下回っています。

項目 割合
粘土瓦 11.0%
スレート瓦 27.3%
ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板 52.5%
ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板以外の金属板 3.2%
その他 6.4%

※2つ以上の屋根葺き材を用いている物件の場合はダブルカウントしているため、合計値は100%を超える。

アスベストへの懸念

スレート屋根のシェア率が下がった要因のひとつにアスベストへの懸念が挙げられます。

1990年代中頃まで製造されたスレート屋根の第一世代は、セメントにアスベストが含まれているのが特徴です。

しかし、アスベスト問題が2000年代前半に発生し、スレート屋根から変更を検討する人が多くなっていきました

さらに第二世代と呼ばれるノンアスベストのスレート屋根は、耐久性が低いことから人気が低いことも要因です。

第一世代、第二世代のスレート屋根を利用している住宅は、ともに葺き替え工事を検討している時期に差し掛かっており、アスベストへの懸念も高まったことからシェアが落ちていると考えられます

ガルバリウム鋼板の評価の高まり

スレート屋根と比較されるガルバリウム鋼板の評価が高まったことも、スレート屋根のシェアが落ちている原因のひとつです。

ガルバリウム鋼はリフォームや新築にも利用されることが多くなってきており、耐久性に優れていることから人気を博しています。

さらにスタイリッシュなデザインとなることから、シンプルな外観を好むニーズにもマッチしていることも考えられるでしょう。

こうしたガルバリウム鋼板の評価の高まりもあり、スレート屋根のシェア率は下降しています。

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スレート屋根のメリット

スレート屋根のメリット

スレートは、他の屋根材と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

他の代表的な屋根材である「金属(ガルバリウム鋼板)」と「和瓦(陶器瓦)」を合わせた3種類で比較を行いました。

スレート 金属(ガルバリウム鋼板) 和瓦(陶器瓦)
メリット ・価格が安い
・色やデザインが豊富
・施工業者が多い
・軽量で耐震性が高い
・防水性が高い
・丈夫で長持ち
・塗装が不要
デメリット ・割れやすく低耐久
・メンテナンス頻度が多い
・断熱性が低い
・通気性がない
・雨音が大きい
・価格が高い
・高重量、建物に負担が大きい

「ガルバリウム屋根」「ガルバリウム鋼板」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

価格が安い

スレート屋根の最大のメリットは、屋根材の価格・メンテナンス費用ともに安価なことです。
そのため、新築時やリフォーム時の費用が安いのがメリットです。

3種の屋根材と、新築・メンテナンス時の費用の比較は以下のとおりです。

【表:屋根材ごとの価格と維持費用の比較】
スレート 金属(ガルバリウム鋼板) 和瓦(陶器瓦)
屋根材の価格 4,200円/㎡~ 6,820円/㎡~ 6,230円/㎡~
リフォーム費用 6,000円/㎡~ 7,000円/㎡~ 10,700円/㎡~
塗替え費用 3,700円/㎡~ 3,200円/㎡~ 塗装不要

※リフォーム費用は葺き替え工事の場合で、屋根材の材料費を含む。塗替え費用はシリコン塗料を使用した場合で、塗装前の高圧洗浄と下地調達代を含む。価格情報は、一般社団法人経済調査会『積算資料ポケット版 住宅建築編 2019年度版』と『同 リフォーム編』より。

色やデザインが豊富

スレート屋根は、黒・茶・グレーなどの定番色から、ブルーやグリーンなど様々なカラーリングの製品が販売されています。

スレート板の形状や質感も数多くの種類があり、デザインの選択肢が豊富な屋根材といえます。

軽い・耐震性が高い

金属屋根材には一歩劣りますが、スレートは重量が軽い部類の屋根材です。

軽いことで、建物にかかる負担を小さくし、地震で建物が揺れた場合に傷ついたり、倒壊してしまったりする可能性を下げることができます。

3種の屋根材ごと、標準的な重量の比較は以下のとおりです。

【表:屋根材ごとの重量の比較】
スレート 金属(ガルバリウム鋼板) 和瓦(陶器瓦)
1㎡あたりの重さ 18kg/㎡ 5kg/㎡ 48kg/㎡~
重量比 ✕3.6 ✕1.0(基準) ✕9.6

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スレート屋根のデメリット

スレート屋根のデメリット

一方でスレート屋根には、以下のようなデメリットがあります。

スレート屋根のデメリット

  1. 割れやすい・耐久性が低い
  2. メンテナンス頻度が多い

割れやすい・耐久性が低い

化粧スレートは薄いセメントの板なので、荷重や強風によってヒビが入ることが少なくありません。

そのため、他の屋根材に比べて割れやすい素材と言えます。

スレート屋根の雨漏りを防ぎ、家を長持ちさせるためには、[ヒビ補修等のメンテナンスをしながら住み続ける必要があります。

メンテナンス頻度が多い

割れやすいスレート屋根の家に安心して住み続けるためには、異常がなくても5年を目安に点検・補修を受けることをオススメします。
他の屋根材に比べて、屋根業者を呼ぶ機会がどうしても多くなるため、負担に感じる方もいるでしょう。

スレート屋根とその他の屋根材で、必要になるメンテナンスとその頻度の比較は以下のとおりです。

【表:屋根材ごとのメンテナンス推奨頻度の比較】
スレート 金属(ガルバリウム鋼板) 和瓦(陶器瓦)
点検・ヒビ補修 5年ごと 異常発見時 異常発見時
棟の交換 15年目 15~20年目 15~30年目
葺き替え工事 30年~40年目 30年~40年目 40年~60年目

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スレート屋根の修理・リフォームの依頼先は?

スレート屋根を修理・リフォームを依頼する先は、「屋根専門業者」が最適です。

屋根工事はやや専門性が高く、工事方法や使用する屋根材などの選択肢も多いため、経験豊富な専門業者がおすすめだからです。

地元の「屋根専門業者」の見つけ方

以下のような検索ワードで検索をすれば、地元の屋根専門業者のホームページがヒットします。

  • 「お住まいの市区町村名」+「屋根工事業」
  • 「お住まいの市区町村名」+「屋根専門業者」
  • 「お住まいの市区町村名」+「屋根」「リフォーム」

見つけた依頼先をリストアップし、見積もりを依頼するとよいでしょう。

地元の「工務店」の見つけ方

屋根専門業者が見つからなかったり、数が少なかったりした場合は、工務店への依頼も視野にいれます。

地元の工務店は、以下のような検索ワードで見つかります。

  • 「お住まいの市区町村名」+「リフォーム」「工務店」

契約は「相見積もり」で費用やプランを比べてから

屋根工事は、同じ工事でも業者によって費用がバラバラなのことがほとんどです。

業者によって得意とする工事や安く使える屋根材が異なるためです。

見積もりをとった業者の得意分野と、自分に最適な工事内容がピッタリ合うとは限らないため、相見積もりが重要になります。

また、あれこれと理由をつけて相場より高額な費用請求をする悪徳業者も残念ながら存在します。悪徳業者と契約してしまうリスクを避けるためにも、見積もりは最低3社からは取り寄せ、費用や提案された工事内容を比べることがオススメです。

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「カバー工法」を提案する業者とは、すぐに契約しないこと

前章で「デメリットが多い」と紹介したカバー工法ですが、意外と勧めてくる業者が多いのも現状です。そのような業者の本音はカバー工法と相性の良い金属屋根材を売ることのようです。悪質なところでは、他の工事の選択肢を伏せたまま、カバー工法に誘導するケースも確認されています。初めの提案でカバー工法を勧めてくる業者とは、いきなり契約せず他の業者からの費用や工事プランの提示を待ってから判断するのが無難でしょう。

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▼インターネット
YouTube
みんなの屋根の相談所|石川商店「スレート屋根材のカバー工法の費用を詳しく解説【実際の見積り公開】」

厚生労働省「アスベスト(石綿)に関するQ&A」

▼書籍
菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015 建築工事研究会『積算資料ポケット版 住宅建築編 2019年度版』一般社団法人経済調査会 2019 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2019年度版』一般社団法人経済調査会 2019