外壁塗装同様、屋根の塗装塗り替えも新築から10年が目安とされます。いずれにせよ、塗装に関してはなるべく長持ちする塗料を塗りたいですよね。そんな方におすすめなのが、スーパーシャネツサーモです。耐用年数が他社と比較して長く、種類によっては10年保証がついています。本記事ではアステックペイント社のスーパーシャネツサーモという屋根塗料について紹介します。
尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。
スーパーシャネツサーモとは?
スーパーシャネツサーモはアステックペイント社から販売されている屋根用塗料です。一番の特性は商品名の通り、優れた遮熱性です。
屋根から伝わってくる熱は室内の温度、環境を大きく左右するため、住居の快適性において、非常に重要な要素です。
その点、スーパーシャネツサーモはしっかりと屋根からの熱を遮ってくれるため、夏などの暑い時期には、より室内の温度を適温に保ちやすくなります。
なお、スーパーシャネツサーモシリーズにはフッ素樹脂塗料である「スーパーシャネツサーモF」と、シリコン樹脂塗料の「スーパーシャネツサーモSi」の2種類があります。
いずれも、金属屋根、カラーベスト、コロニアル、セメント瓦といった屋根素材が対象で、それぞれの耐用年数や価格、保証については以下の表の通りになります。
比較項目 | スーパーシャネツサーモF | スーパーシャネツサーモSi |
---|---|---|
樹脂 | フッ素樹脂 | シリコン樹脂 |
耐用年数 | 16~20年 | 13~16年 |
価格目安 | 4,500円/㎡ | 2,800円/㎡ |
スーパーシャネツサーモのメリット

スーパーシャネツサーモは「高い遮熱性」「高耐候性」「変退色防止性」がメリットとして挙げられます。以下ではそれぞれの特徴を具体的にご紹介します。
高い遮熱性で家を適温に保つ
上述した通り、スーパーシャネツサーモの一番の特徴は優れた遮熱性です。スーパーシャネツサーモには「チタン複合特殊無機顔料」と呼ばれる、アステックペイント社の開発した特殊な顔料が使用されています。
このチタン複合特殊無機顔料が近赤外線を反射する塗膜を形成することによって、優れた遮熱性を発揮します。色味にもよりますが、黒色無機顔料の場合、平均日射反射率はカーボンブラックが6%であるのに対し、スーパーシャネツサーモは46%を跳ね返します。
室内温度の上昇を抑えられるので、住宅環境を快適にし、省エネや節電、光熱費削減にもつながります。
高耐候性で劣化しやすい屋根の弱点をカバー
スーパーシャネツサーモは耐候性に優れているのも特徴です。フッ素系塗料の成分の中には塩素原子が含まれていますが、塩素原子は紫外線の影響を受けやすく、結果的に劣化が早まる原因となります。
フッ素系塗料のスーパーシャネツサーモFではその塩素原子をフッ素原子に置き換え、炭素-フッ素結合(C-F結合)させることで、より耐候性が高くなる「4フッ化フッ素樹脂」が使用されています。
またどちらの製品においてもアステックペイント社のラジカル制御技術が採用されています。
酸化チタンはほとんどの塗料、顔料に使用されている成分の1つです。しかし酸化チタンは紫外線を受けると、ラジカルといわれる劣化因子を発生させます。ラジカルは樹脂同士の結合を破壊するため、結果的に塗膜が劣化していきます。
スーパーシャネツサーモにはこのラジカルの発生を抑える制御技術が使われています。仮にラジカルが発生しても、独自のシールド層によってラジカルの発生が抑えられるため、劣化スピードが遅くなります。
変退色防止性があるため、劣化が遅い
従来の屋根塗装顔料は有機顔料を混色することで色味を変えますが、屋根の色のくすみや劣化は、この有機顔料が紫外線により破壊されて起こります。
スーパーシャネツサーモに用いられているチタン複合特殊無機顔料は名称通り、無機顔料となっています。そのため紫外線による影響が少なく、従来の屋根の塗装にある経年劣化が少なく、長期間美観を保つことができるようになっています。
事実、スーパーシャネツサーモSi、スーパーシャネツサーモFのどちらも13年以上経過しても塗膜の光沢率が80%以上維持されたという実験結果も出ています。
スーパーシャネツサーモのデメリット・注意点
スーパーシャネツサーモは遮熱性をはじめ、耐久性や変色のしにくさなど、いくつもの優れた効果があります。
一方で、デメリットも存在します。スーパーシャネツサーモのデメリットとしてまず挙げられるのは、他メーカーの一般的な塗料に比べ高価なことがあげられます。屋根塗装において遮熱塗料を使った場合の相場は2,500円~3,500円/㎡ですが、例えばスーパーシャネツサーモFを使った場合は4,500円/㎡になります。
また、遮熱効果に冬場の保温効果はないということも覚えておきましょう。冬場の低温から室内環境を守る保温効果が遮熱塗料にはありません。むしろ、太陽光をはね返す効果が、冬場は室内の保温に悪く響いてしまう場合もあります。
また、遮熱塗料は外の熱を室内に伝えにくくしますが、中の熱を外に逃がすことを防ぐ機能はありません。屋根や壁に断熱材を入れることを併用するなどの対策が別途必要になります。
しかしながら、遮熱塗料全般に言えることですので、スーパーシャネツサーモ特有の注意点ではありません。
スーパーシャネツサーモ以外のアステックペイントジャパン社塗料
スーパーシャネツサーモを販売しているアステックペイント社では、住宅用塗料として他にもいくつかのシリーズや塗料が開発されています。中でも代表的な「超低汚染リファイン」「EC-5000」「無機ハイブリッドコートJY-IR」をご紹介します。
超低汚染リファイン500
「超低汚染リファイン500」シリーズは、超低汚染性が特徴の屋根用塗料です。フッ素系、シリコン樹脂系の2種類が展開されています。耐用年数は15~24年が期待でき、価格は2,400~2,800円/㎡となっています。
「超低汚染性」と謳われるだけに、ガラスについた汚れを水で洗い流すような働きで雨水によって汚れが落としやすくなっています。またスーパーシャネツサーモと同じく、遮熱効果もあります。
無機ハイブリッドコートJY-IR
スーパーシャネツサーモと同じく、遮熱性にも優れた屋根用無機塗料です。無機ハイブリッドコートJY-IRの一番の特徴は耐候性です。
一般的に耐用年数が高いといわれているフッ素系塗料や屋根塗料の耐用年数は8~12年となっていますが、無機ハイブリッドコートJY-IRの期待耐用年数は20年以上となっています。
また一般的に無機塗料は伸縮性が低く、ひび割れなども起こしやすいとされています。しかし無機ハイブリッドコートJY-IRは無機塗料であるにも関わらず、伸縮性にも優れており、ひび割れも起こしにくくなっています。
EC-5000
「EC-5000」シリーズは塗装による外壁表面のひび割れ防止効果をもつ塗料です。一番の特徴は弾性をもたせた、“伸びる”塗料であることです。
しかしEC-5000の伸縮率は600%もの数値となっており、この伸びによって、下地の外壁にヒビが入った場合も、表面の塗膜までは割れずに水の侵入を防いでくれます。またEC-5000はピュアアクリル樹脂であることに加え、無機塗料も配合されているため、耐候性が高いのも特徴です。
屋根塗装、新築からどれくらいでするべき?必要なサイン
スーパーシャネツサーモを含め、屋根塗装を行う前には事前に把握しておくべき情報があります。以下からは屋根塗装の塗り替え頻度や予算、価格を抑えるコツについて解説します。
屋根塗装の塗り替えはおよそ10年が目安、予算を準備しておきたい
新築時に使用した塗料にもよりますが、10年が屋根の塗り替えのひとつの目安です。また屋根塗装にかかる費用は、塗料代・工事代(人件費)・足場代・業者の利益からなっています。
下記は一般的な2階建住宅を想定した場合の必要予算になります。
- 屋根の塗り面積が60㎡として、およそ300,000円(スーパーシャネツサーモFの場合)
- 工事代(人件費)として、現場管理費などが80,000円程度、その他養生代など
- 足場代として、600~800円/㎡(足場架面積=[家の外周+8m]×高さで計算します)
- 運搬費、業者の営業費・管理費
これらを概算すると2階建30坪から40坪程度の家で100万円強となります。屋根の状態や形状、また季節や養生する植栽、車の有り無しなどで変わってくるので見積もり依頼だけでもかけてみるのもよいかもしれません。
金額が高いと感じたら?
本記事でご紹介した通り、スーパーシャネツサーモは他の塗料とも比べて価格は高いです。また初めて塗装業者に見積もりを依頼し、金額が高い印象を感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
上述した一般的な見積と大きく金額がかけ離れている場合、複数の中間業者が関与し、マージンがのってしまっている場合もあります。自社で直接工事を行うのではなく、下請けや孫請け会社に工事を依頼し、紹介料を得ている会社もあるからです。
地域によって屋根におけるメンテナンスや被害は変わります。またそれに伴い、使用する塗料も様々です。そのため地域環境を知り尽くした、地域密着型の業者に依頼することがおすすめです。なお、塗装工事は価格交渉を行うことができます。塗料のグレードを下げる、閑散時期に思考を依頼するなどによって、金額が下がることもあるため、一度金額について、業者に相談するのがおすすめです。
スーパーシャネツサーモで、長持ちする屋根に
スーパーシャネツサーモは、多くの屋根素材に使用できる優れた塗料です。検討する上では前述したデメリットも理解したうえで、他の素材を使用した塗料などと比較もしてみましょう。業者にも相談しながら、最終的な判断を行いましょう。
「ヌリカエ」では屋根塗装の見積もりシミュレーションを無料で利用可能なほか、見積もりの内訳説明や注意点を確認できますので、屋根塗装について見積もりをまず取りたいという方にも利用することをおすすめします。


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