本記事をご覧になっている方のなかには「飛び込みで屋根修理の営業が来たけどなんか怪しい…」、「訪問販売で屋根修理の営業が来たんだけど詐欺っぽくて心配…」といった不安を抱えている方も多いかと思います。
本当に屋根が損壊しているなら早急に修理したいものの、詐欺かもしれないと疑ってしまいますよね。
国民生活センターによると、近年は全国的に屋根工事のトラブルが増えているといいます。全国の消費生活センターには「突然訪問してきた業者と屋根修理工事の契約をしてしまったので契約解除したい」といった相談が多く寄せれているとのことです。
本記事では、よくある屋根修理の詐欺手口6選や詐欺被害の実例、信頼できる業者の特徴、被害に遭ってしまった場合の対処法について詳しくご紹介します。
最近急増している屋根修理の詐欺被害を防ぐために、ぜひご一読ください。
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監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
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よくある屋根修理の詐欺の手口6選
屋根修理の訪問営業を受けた際に、「この業者は本当に信頼できるのか?」と不安に感じたことはありませんか?
実際、悪徳業者は巧妙なセールストークを駆使し、不要な工事を契約させたり、高額な修理費を請求したりするケースが後を絶ちません。
ここでは、悪徳業者によく見られる手口とセールストークをケース別に紹介します。これらの特徴に当てはまる場合は、すぐに契約せず、必ず相見積もりを取り、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
また、すでに契約してしまった場合でも、クーリングオフが可能なケースもあります。不審に感じた際は、消費生活センターや専門家に相談し、適切に対応しましょう。
【ケース1】不安をあおり不要な工事を契約させる
屋根の点検を申し出て、「このままでは雨漏りする」「放置すると家が危険な状態になる」と不安を煽り、不要な工事を契約させる手口です。
「屋根の一部が浮いており、強風で飛ばされる可能性があります」
「ご近所の屋根修理をしていたら、お宅の屋根も危険な状態なのが見えました」
訪問業者の点検結果をそのまま信じるのではなく、他の業者にも点検を依頼することが重要です。また、施工前の写真や動画を確認し、修理が本当に必要かどうかを慎重に判断しましょう。
- ・屋根の状態を写真や動画で見せながら説明し、必要な修理のみを提案するか
- ・即決を促すのではなく、複数の選択肢を提示してくれるか
といった部分を確認するとよいでしょう。
【ケース2】相場より高い価格を提示し、大幅値引きで即決を迫る
最初に相場よりも高額な金額を提示し、その後「特別値引き」と称して即決を促します。実際には、最初の見積もりが不当に高いため、お得に見えても相場以上の支払いになる可能性があります。
「通常価格は〇〇万円ですが、本日ご契約なら△△万円にいたします」
「今決めていただければ、特別割引を適用できます」
見積もりを一社だけで決めず、複数の業者に依頼して相場を確認することが重要です。「今決めれば安くなる」という言葉には慎重になり、焦って契約しないようにしましょう。
【ケース3】契約後に追加料金を請求し、工事を人質にとる
契約後に、見積もりに含まれていない追加料金を突然請求し、「このままでは工事が進められない」と脅す手口です。業者は、最初の契約では必要ないと思わせる内容で価格を提示し、その後で追加料金を次々と加えてきます。
工事が進行中のため、契約者は工事の完了を希望し、追加料金に応じることを余儀なくされます。
「予期しないトラブルが発生しましたので、追加費用が必要です。」
「これ以上工事を進めるには、今すぐの支払いが必要です。」
「お客様、これを放置するとさらに大きな問題になります。」
契約前に詳細な見積もりを取り、追加料金が発生する条件を明記しておきましょう。優良業者は、契約前に明確な見積もりを出し、工事中に予期しない問題が発生した場合も、その内容と追加費用について説明し、納得した上で追加作業を行います。
万が一、契約書に明記されていない料金の支払いを強制された場合は、その場で支払わず、支払う前に業者に再確認してください。
【ケース4】無料点検で嘘の診断をする
無料点検を口実に自宅の屋根を調査し、実際には問題がないのに「すぐに修理が必要」と嘘をつく手口です。点検後に危機感を煽ることで、焦って契約を結ばせようとします。
「屋根の劣化がかなり進んでいます。このままだと雨漏りしますよ!」
「すぐに修理しないと建物全体に被害が広がります。」
「今なら特別価格で修理できます!」
業者が無料点検をした後、「今すぐ修理が必要」と言われてもすぐに契約しないことが重要です。まずは、別の業者にも点検を依頼 し、本当に修理が必要か確認してみましょう。
また点検時の写真を要求して、具体的な説明を求めてみてください。
【ケース5】火災保険を使うと無料になると勧誘される
火災保険を利用すれば自己負担なしで屋根修理ができると持ちかけ、実際には適用外の工事を行ったり、不正な保険金請求をさせたりする手口です。
「火災保険を使えば自己負担なしで修理できます!」
「申請手続きはすべて代行するので安心してください。」
「100%保険が下りますので、今すぐ申請しましょう!」
火災保険は 自然災害による損害 に適用されるもので、通常の経年劣化やメンテナンス目的では使えません。悪徳業者は虚偽の申請を勧め、保険金詐欺に加担させるケースもあります。
まずは本当に保険適用できるか、保険会社に直接確認してみましょう。業者に「申請を代行する」と言われても、自分で手続きを行ってください。
特に、「保険金の一部を業者に還元する」と提案されたら要注意です。違法行為に関わる可能性があります。
【ケース6】施工不良の修理として、追加請求される
工事を開始した後に「想定外の問題が見つかった」として追加の工事費を請求する手口です。最初の見積もりが安くても、最終的に高額になることがあります。
「工事を進めたところ、想定外の問題が見つかりました。」
「このままだと屋根が完全にダメになるので、追加工事が必要です。」
「最初の見積もりではカバーできない範囲があったので、追加費用が発生します。」
工事が始まってから「追加工事が必要」と言われると、断るのが難しくなります。事前にしっかり確認しておくことが大切です。
具体的には、契約前に「追加工事なし」での見積もりを取るようにしましょう。また、契約書に追加工事の際は必ず事前承諾が必要と明記するとよいです。
もし追加費用が発生した場合は、他の業者にも確認して妥当性を判断するようにしましょう。
屋根修理詐欺の実例
本章では、全国的に増えている屋根修理詐欺の実例を2つご紹介します。
いずれの実例もニュースになり、一方は40万円の被害額が出てしまった事例です。
どのような流れで詐欺被害に遭ってしまうのかみていきましょう。
若い男性から25万円を騙されそうになった実例
以下は、都内に住む80代女性が体験した屋根修理詐欺の実例です。
◆若い男性から25万円を騙されそうになった実例◆
ある日、80代女性のもとに「屋根が浮いてるのが見えた」と作業着の若い男が訪ねてきた。無料で点検すると言われ、感じもよさそうだったので屋根を見てもらうと、写真を見せられ「板金が浮いてて雨漏りの危険がある」と説明された。工事費は最初35万円だったが、すぐに25万円に値下げされ、その場で契約してしまったという。ことの経緯知った親族は「なんか不自然だな」と感じ、すぐにクーリング・オフ。
その後、近所の工務店に点検を頼むと「壊れてるように見せかけた可能性がある」と言われ、簡単な補修だけで済んだ。
屋根修理の詐欺被害に遭うのは多くが高齢者です。この実例のように「祖父母が怪しい屋根修理の業者と契約してしまったようだ」という相談が実際に修理業者のもとに寄せられているといいます。
この実例ではクーリング・オフができたためお金は取られていませんが、なかには契約金を前払いにし後から連絡を絶つような悪質業者もいるため、十分な注意が必要です。
屋根は見えないところにある分、素人目では修理が必要なのか、修理費用はどのくらいが相場なのかが分からないため騙されやすくなります。
まずは屋根に上らせない、そして絶対にその場での契約しないことが大切です。屋根を壊され60万円の詐欺被害に遭った実例
以下は、静岡県に住む60代男性が体験した屋根修理詐欺の実例です。
◆屋根を壊され60万円の詐欺被害に遭った実例◆
静岡県に住む60代男性のもとに、自宅に突然やってきた男から「屋根の金具が曲がっていて、このままだと雨漏りする」と言われた。心配になって点検をお願いすると、男は屋根に上り、割れた瓦の写真を見せながら修理が必要だと説明。翌日には“社長”を名乗る男が見積もりを持ってきて、金額は40万円。「思っていたより安い」と感じた男性は契約し、工事も2日で終了。
ところが後になって「足場がなかった」「現場にビールの缶があった」など不審な点がいくつも浮かび上がってきた。
実際は屋根に損傷などなく、男たちは自ら屋根を壊して工事が必要なように見せかけていたという。詐欺グループは5人組で、すでに逮捕・起訴されており、同様の被害が周辺で十数件確認されている。
男性は「自分は騙されないと思っていたけど、油断していた」と語っている。
屋根修理で信頼できる業者の特徴
ここまで屋根修理詐欺の手口や実例をご紹介してきましたが、信頼できる優良業者はどのような特徴があるのでしょうか。
本章では信頼できる業者の特徴5つをご紹介しますので、屋根修理が必要になった際の参考にしてください。
- 最初に名刺を渡す
- その場での契約を催促しない
- 見積もりは後日に詳細なものを送る
- アフターフォローがある
- ホームページで積極的な情報発信をしている
最初に名刺を渡す
信頼できる業者の場合、まずは名刺を渡します。名刺には相手の名前や会社名、住所、連絡先などが載っており身元を明かすことになるため、その業者が信頼できるかの判断ポイントとして重要なものです。
詐欺業者は身元が割れて逮捕されることを恐れるため、基本的に身元を明かすものを残していきません。
ただし、名刺を渡されたとしてもそれっぽく作られた嘘の名刺の可能性もあります。そのため、名刺をもらったら記載されている会社名や住所をインターネットで検索して実在する会社かどうかを確認しておきましょう。
その場での契約を催促しない
信頼できる業者であれば契約を催促するようなことは滅多にありません。修理の必要性は説明しても「修理するかは本人の判断」という立場で、しつこいセールストークはしない業者が多いです。
詐欺業者は契約を確定させお金を払わせるために、今すぐの契約を狙っています。すでにご紹介した通り、詐欺業者の場合はその場で契約させるために「今すぐの契約なら割り引きます」といったようなセールストークで契約を催促されるでしょう。
契約を急かされた時点で、信頼できる業者ではなく詐欺や悪質業者の可能性が高いと考えて差し支えありません。
見積もりは後日に詳細なものを送る
屋根修理は、通常その場ですぐに出せるようなものではありません。部分修理だけでも屋根の材質によって必要になる部品や修理期間が変わるため、業者は一度持ち帰って細かく料金を計算して見積もりを作ります。
悪徳業者がその場で作った見積もりは、ほとんどが相場よりも高額です。また、計算式もよく分からず信頼できるようなものではないことの方が多い[/text]でしょう。
信頼できる業者であれば、概算という形で「大体このくらいの金額ではないか」といった程度の話があるケースもあります。しかし、契約金額を正確に伝えることは難しいため、いかにも正確な見積もりがすぐに渡された場合は警戒しましょう。
アフターフォローがある
屋根修理をはじめ多くのリフォーム業者には、独自のアフターフォローがあります。代表的なものは、定期点検やトラブルが起こった場合の無償修理などです。
詐欺業者の場合は、お金をだまし取れれば目的を達成できるためコストのかかるアフターフォロー制度はありません。「アフターフォローがある」というセールストークがあっても、実際には修理後に連絡が取れなくなるといった結末になることが多いでしょう。
信頼できる屋根修理業者を探す際は、どのようなアフターフォローがあるのかを一つのポイントとして確認してみることをおすすめします。
ホームページで積極的な情報発信をしている
施工例が多く実績のある業者は、自社のホームページをもち積極的に情報発信をしているケースが多いです。
施工事例やスタッフ紹介、料金、対応エリアなどを掲載している業者は、公に自社情報を公開しているという点で信頼できるといえます。また、ブログやコラムなどで屋根修理に関する知識を発信している場合、その業者が業界への理解や経験を持ち、有益な情報提供を心がけている証拠です。
信頼できる業者かどうかを見極めるためには、公式ホームページのチェックもおすすめです。
屋根修理で詐欺に遭ってしまった場合の対処法
最後に、もしも屋根修理で詐欺被害に遭ってしまった場合の対処方法を解説します。
焦らず対処することで、詐欺被害を最小限に抑えることができますよ。
クーリングオフできないか確認する
詐欺まがいの屋根修理業者と契約してしまった場合、まずはクーリングオフができないか確認しましょう。
屋根の修理工事に限らずクーリングオフするには、契約してから8日以内であるや、訪問販売や電話勧誘などで契約をしたなどいくつかの条件があります。
そのため、業者の店舗で契約した場合、クーリングオフの対象外となってしまいます。
なお、契約書面の交付を受けていない場合には、クーリングオフ期間が進行しないため、いつでもクーリングオフが可能です。
公式ページ
消費生活センター等に相談する
屋根工事の相談をできる窓口として、まず消費生活センターが挙げられます。
商品の購入やサービスの契約など「消費生活全般」に関する相談を受け、トラブル解決に向けたアドバイスを第三者が公正な立場で行う独立行政法人です。
消費者ホットライン#188にかけることで、最寄りの消費生活センターに案内してくれます。
公式ページ
警察に相談する
屋根修理の詐欺被害に遭った際には、警察に相談する方法もあります。
最寄りの警察署だけでなく、警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号#9110からでも相談することができます。
ただし詐欺事案として立件するのは、ハードルが高いです。
公式ページ
弁護士に相談する
弁護士に相談すると、トラブルが大きくなる前に法的根拠から詐欺被害を解決してくれます。
消費生活センターでは一般的なアドバイスはくれるものの、交渉を行うのは自分自身になります。
弁護士費用はかかってしまうものの、負担が少なくスムーズに屋根修理の詐欺に対処できる方法です。
屋根修理の詐欺まとめ
今回の記事では、屋根の修理の詐欺被害や、詐欺被害に遭わないためのコツをお伝えしました。
現実問題として確実に悪徳業者を避けることは難しいですが、知識を持っておくことで防げる詐欺被害もあります。
屋根修理の業者選びに迷った場合などは、今回お伝えした内容を思い出してみてください。そうすることで、巧妙な手口で騙そうとする悪徳業者を避けられる可能性が高まります。
それでも迷った場合は「ヌリカエ」が紹介する業者に相談してみてください。
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